BYD、グローバルR&Dセンターとエネルギー貯蔵産業パークの建設開始
(中国)
広州発
2023年06月23日
中国共産党深セン市委員会の機関紙「深セン特区報」の6月16日付報道によると、中国の電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD、本社:広東省深セン市)は15日に深セン市龍崗区で、グローバル研究開発(R&D)センターとエネルギー貯蔵産業パークの建設を開始した。
BYDグローバルR&Dセンターは、投資予定額が200億元(約4,000億円、1元=約20円)で、完工後に約6万人の研究開発職の採用を計画しており、世界的に影響力を持つR&Dセンターになることを目指している。BYDエネルギー貯蔵産業パークについては、投資予定額20億元で、研究開発者は1万人超となる。20ギガワット時(GWh)のエネルギー貯蔵システムの生産能力を有し、稼働後の年間生産額は約200億元に達する見込み。
BYDの王伝福董事長は6月8日に開催された株主総会で「新エネルギー自動車産業は既に変革期に入っており、その流れは加速している」とし、2023年には淘汰(とうた)が始まるとの考えを示した。さらに、王氏は今後の競争を勝ち抜くために「『コア技術、戦略の方向性、迅速な意思決定の仕組み』の3つの能力が必要だ。その中でも『コア技術』が最も重要で、コア技術を極めた自動車企業こそ生き残り、シンプルな組み立て作業などを行う企業が生き残る可能性は低い」とコメントした(「上海証券報」6月8日)。
同社の財務報告書によると、2022年度の研究開発費は前年比1.9倍の202億元だった。
BYDは1月5日に深セン証券取引所が管轄するプラットフォーム「互動易」上で、同社のエネルギー貯蔵事業に言及している。具体的には、国内外の数百のエネルギー貯蔵プロジェクトに同社のエネルギー貯蔵システムソリューションを提供し、新エネルギー製品を米国、英国、ドイツ、フランス、スイス、イタリアなど70以上の国・地域に輸出した実績があり、合計出荷量は5.7GWh以上に上るとした。
(汪涵芷)
(中国)
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