UAE連邦政府職員は週休3日の取得が可能に

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年06月09日

6月8日付「ガルフ・ニュース」などの各種現地メディアによると、内閣決議第48号に基づき、アラブ首長国連邦(UAE)の連邦政府職員は2023年7月1日から、1日10時間、週4日勤務を行うことで、週休3日を取得することが可能となった。

これは、同決議で示された連邦政府職員向けの5つの新しい労働モデルの1つで、「圧縮労働週(コンプレストワークウィーク)」と呼ばれる。新しい労働モデルは次のとおり。

  1. オフィスでの勤務
  2. UAE国内でのリモートワーク
  3. UAE国外でのリモートワーク
  4. ハイブリッド勤務:オフィスでの勤務とリモートワークを組み合わせたモデル。
  5. 圧縮労働週(コンプレストワークウィーク):特定の状況下において、従業員は少ない労働日数で契約した労働時間を完了するために集中的に働くことができる。

これまでもリモートワーク推奨の通達はUAEの各政府機関から出ていたが、今回新たに週休日の拡大という新制度が盛り込まれた。ただし、本決議を交付した人的資源・自国民化省はソーシャルメディアで補足的説明を行っており、本制度は連邦政府職員を完全週休3日制とするものではなく、「人事マニュアルに明記された規則に従い、例外的に適用することが認められており、所属長の承認を得て特定の短い期間内にのみ行われる」とされ、あくまでも勤務体制の一制度である点を強調している。

今回、UAE政府がこのような制度を導入したことで、民間企業にも導入される可能性もある。しかし、UAE労働法では、通常の労働時間の上限は1日8時間、もしくは週48時間とされているため、週休3日にした場合、実質的な労働時間削減が避けられない。こうした柔軟な働き方が民間企業で採用されるかどうかは、まだ不透明だ。一方で、2021年にUAE連邦政府職員から最初に導入された一時雇用やフレックス勤務、フリーランスといった勤務形態が民間企業にも広がった前例もある。

なお、UAEでは2022年1月から、連邦政府機関の公休日を金、土曜日から土、日曜日に変更し、併せて金曜日を午前中のみの半日勤務に変更している(2021年12月8日記事参照)。

(吉村優美子)

(アラブ首長国連邦)

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