EU、チリでの水素開発輸出を支援する2.2億ユーロ超の資金・技術協力協定を締結

(チリ、EU)

サンティアゴ発

2023年06月20日

チリのガブリエル・ボリッチ大統領は6月14日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と共に、再生可能な水素産業の発展に貢献するためのEUとチリの協力関係について定めた2つの協定に署名した。

協定の1つ目は、EUとドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)がそれぞれ400万ユーロずつの出資を行う、チリにおける再生可能で持続可能な水素経済の促進に資する技術支援を目的とする「チリの再生可能な水素開発のためのチームヨーロッパプロジェクト」の立ち上げに係るもの。2つ目は、EUラテンアメリカ・カリブ海開発機関(EU LACIF)から1,650万ユーロの助成金と、欧州投資銀行(EIB)とドイツ復興金融公庫(KfW)からのそれぞれ1億ユーロずつの融資により、再生可能な水素の生産と利用のためのプロジェクトへの開発資金を提供する「チリの再生可能な水素のためのチームヨーロッパ基金」の創設を目的とするもので、基金の管理についてはチリの産業振興公社(CORFO)が担うことも併せて発表された。

フォン・デア・ライエン委員長は「この合意はわれわれが協力して着手できる最も重要なプロジェクトの1つで、チリの水素産業の発展を支援し、国内の雇用を推し進めることで、EUを含むパートナー国への再生可能な水素の輸出が促進されるだろう」とコメント。ボリッチ大統領は両協定の締結について、「わが国の水素産業を促進する取り組みは、チリだけでなく世界の人々にとって朗報だ」と述べ、EUとの協力は、チリがグリーン水素産業を促進するための手段であり、その発展は間違いなくチリ国民の生活の質の向上に貢献するだろうとコメントした。

(岡戸美澪)

(チリ、EU)

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