マニラのスタートアップ・エコシステムの規模が急拡大
(フィリピン)
マニラ発
2023年06月29日
米国調査会社のスタートアップ・ゲノムと、スタートアップを支援するグローバル・アントレプレナーシップ・ネットワーク(GEN)が6月15日に発表した「THE GLOBAL STARTUP ECOSYSTEM REPORT 2023」によると、マニラのスタートアップ・エコシステムの規模(注1)は21億ドル(2019年下半期~2021年)から35億ドル(2020年下半期~2022年)へと急拡大した。
ファクター別のランキングでは、マニラが「人材・経験」(注2)において世界トップ25、アジアトップ10の都市に、「資金調達」(注3)においてアジアトップ20に入った急拡大の理由について、「THE GLOBAL STARTUP ECOSYSTEM REPORT 2023」は、フィリピンに、技術に精通し、教育を受けている人口が多いことや、政府や民間セクターがスタートアップ支援を先導していることに鑑みて、同国のスタートアップ・エコシステムが急速に成長していると分析した。
また、フィリピンの中でマニラには最も活発なスタートアップ・エコシステムが形成されているとし、イノベーションや起業の分野で東南アジア屈指のハブとなり得るとコメントした。マニラが強みを有する産業に関して、フィンテック、Eコマース、ゲームとしている。
同レポートでは、ほかにスタートアップの拠点となる可能を有するフィリピンの都市として、ルソン島南部の都市ナガ、フィリピン中部・西ビザヤ地方の中心都市イロイロおよびセブ、ダバオを挙げている。
「THE GLOBAL STARTUP ECOSYSTEM REPORT 2023」での結果を受けて、アルフレド・パスクアル貿易産業相は6月16日、「マニラの大きな飛躍は、強固なスタートアップ・エコシステムの形成を目指した政府の取り組みが功を奏したことを示している」とコメントした(政府通信社6月16日付)。
(注1)スタートアップ・エコシステムの規模は、スタートアップのイグジットの金額や評価額を基に、スタートアップ・ゲノムにおいて算出している。
(注2)テック人材の採用の容易さ。
(注3)アーリーステージの資金調達と投資家の活動を通じて、イノベーションを測定したもの。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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