米ミシガン州知事、毛髪による差別なくす超党派のクラウン法案に署名

(米国)

シカゴ発

2023年06月22日

米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は615日、髪質や髪型など毛髪による差別をなくし、教育や雇用の機会拡大を目的としたクラウン(CROWNCreating a Respectful and Open World for Natural Hair)法案に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同法案は超党派の圧倒的な支持を受け、州上下両院で可決されていた。これにより、宗教、人種、国籍、年齢、性別などによる差別を禁止するエリオット・ラーセン公民権法(注)における人種の定義が拡大され、髪質や髪型による差別も禁止される。

ウィットマー知事は「クラウン法は、ミシガン州の黒人が職場や学校、そのほかの場所で直面する髪の差別に対処するものだ。わが州の黒人は面接や仕事、学校のために髪型を変えたり、髪をまっすぐにしたりすることを強制されることなく、自分の好きなように自然な髪型を選ぶことができる」と述べた。同知事によると、黒人女性のヘアスタイルはプロフェッショナルでないと判断される可能性がほかの人に比べて2.5倍も高く、黒人男性も同様の偏見を持たれる傾向にあるという。職場での髪質や髪型を巡るこうした「プロ意識」の基準は、さまざまな背景を持つ応募者にとって、雇用機会に対する障壁となる可能性がある。

米国では2019年以降、髪質や髪型に基づく職場での差別を禁止する法案が州または地方自治体レベルで導入される動きが広がっている。クラウン法と同様の州法は20236月現在、カリフォルニア州、コロラド州、ニューヨーク州、イリノイ州、ルイジアナ州、テキサス州など22州で成立している。連邦レベルでは、同様の法案が20223月に下院で可決されたが、成立はしなかった。

(注)1976年成立。宗教、人種、肌の色、国籍、年齢、性別、身長、体重、家族構成、婚姻関係に基づく権利行使における差別的慣行、政策、慣習を禁止している。

(星野香織)

(米国)

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