タイ工業連盟(FTI)会長、セミナー「タイ:テイクオフ」でFTIの展望を示す

(タイ)

バンコク発

2023年06月30日

タイ工業連盟(FTI)のクリアンクライ・ティエンヌクン会長は2023年6月21日、タイのマティチョン(Matichon)新聞主催のセミナー「タイ:テイクオフ」に出席し、FTIの展望外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを示した。

同会長は、今後のタイ産業における新しい成長原動力として2点発表した。1つ目は伝統的産業の競争力の強化で、それは次の4つの転換を通じて実現されるとした。

  1. 取引先ブランドによる製造(OEM)から、独自設計による製造(ODM)、自社ブランドの製造(OBM)への転換
  2. 労働力の利用からデジタルテクノロジー、機械、自動化システムの利用への転換
  3. 利益重視の生産から環境に配慮した生産への転換
  4. 非熟練労働力から高熟練労働力への転換

2つ目は次世代産業における新たな成長原動力を創ることで、次の3つの方法を通じて実現されるとした。

  1. Sカーブ産業に更なる投資を呼び込む
  2. バイオ・循環型・グリーン(BCG)政策を進展させる
  3. 気候変動対策を考慮する

さらに同会長は、タイのSカーブ産業における競争力についても触れた。例えば、次世代自動車(電気自動車など)においては、タイは同産業への投資誘致でインドネシアと競合する。またASEAN中国FTA(自由貿易協定)を通じて、関税がゼロになる中国からの輸入自動車部品とも競合すると述べた。その他、スマートエレクトロニクスについても、集積回路(IC)設計、IC製造のどちらも可能な拠点にしていかなければならないとした。

(注)有望分野としてタイ政府が掲げる、次世代自動車、スマートエレクトロニクス、高付加価値の観光・メディカルツーリズム、農業・バイオテクノロジーなどの業種を指す。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

ビジネス短信 c8f4bac04b913fdb