グローバル・グリーン成長研究所が欧州連絡事務所を開設、金融を通じて持続可能な経済成長に貢献

(ルクセンブルク)

ブリュッセル発

2023年06月15日

ルクセンブルク政府は69日、韓国に本部を置く国際機関グローバル・グリーン成長研究所(GGGI)が同国に欧州連絡事務所を開設したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。GGGI2012年に設立された国際機関で、開発途上国や新興国の持続可能な経済成長に向けた支援を30カ国以上で行っている。金融機関が融資可能なプロジェクトの立案、グリーンボンド(注)などの金融商品の開発、能力構築などに取り組んできた。欧州連絡事務所は、グリーンファイナンスや気候変動ファイナンスなどのツールの活用を通じてアフリカ・中南米・アジア諸国が適切な気候変動対策が取れるよう、GGGI45加盟国と欧州のステークホルダーのパイプ役として重要な役割を果たす。

開所式に出席したフランツ・ファイヨ協力・人道支援相は、GGGIの専門性がルクセンブルクの包摂的で革新的な金融エコシステムの一層の強化につながると評価した。同席したユリコ・バッケス財務相は、GGGIとの連携で低炭素化プロジェクトへの投資などを促し、開発途上国や新興国において持続可能な金融市場の一層の発展を促進することができると意義を強調した。

ジョエル・ウェルフリング環境・気候・持続可能な開発相は、ルクセンブルクの金融市場は、より環境配慮型で社会的かつ公正な金融モデルへの移行を目指しており、GGGIが持つサステナブルファイナンス(持続可能な金融)に関する専門知識とスキルが有益だと、同国の金融市場へのメリットを説明した。

ルクセンブルク政府は以前より、金融部門を通じた持続可能な経済成長や気候変動対策に積極的に取り組んでいる。今回の発表では、ルクセンブルク政府とルクセンブルク証券取引所が共同で、同テーマの技術支援や能力開発プログラムの実施を発表した。政府によれば、同プログラムによって、気候変動に対して最も脆弱(ぜいじゃく)な人々のうち、200万人以上の適応能力を強化し、対象国において40万人以上の環境関連産業の雇用(グリーンジョブ)を創出し、温室効果ガスを大幅に削減することができる。

(注)気候変動や環境に配慮した事業向けの資金調達として発行される債券。

(大中登紀子)

(ルクセンブルク)

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