森永乳業が合弁会社設立、育児用ミルクの販売拡大へ

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2023年06月05日

乳製品製造大手の森永乳業はベトナムのホーチミン市で523日、同社の現地代理店ル・マイ・プロダクション・トレーディングサービスと合弁会社設立の記念式典を行った。合弁会社「モリナガ・ル・マイ・ベトナム」は同国で育児用ミルクの輸入・販売事業を行う。

森永乳業はベトナム向けに2010年からル・マイを通じて育児用ミルクの輸出を開始。同社のプレスリリースによると、合弁会社設立を決めた理由として、堅調な経済成長を続けるベトナムでは育児用ミルク市場も急成長しており、今後も安定した市場拡大が期待されることを挙げている。ベトナムでの育児用ミルク製品販売量の成長率は、20124月から20223月までの過去10年間で年平均33%と、順調に増加しているという。

記念式典で森永乳業の大貫陽一社長は「ベトナムで10年以上にわたり、森永乳業のブランド構築に尽力したル・マイと合弁会社を設立し、事業を拡大していきたい」と述べ、「今後、顧客ニーズに合った安全・安心な製品を提供することにより、同社育児用ミルク製品のさらなる販売拡大につなげていく」と意気込みを語った。

同社は森永乳業グループ10年ビジョンで「海外売上高比率15%以上」を20293月期の数値目標の1つとして掲げている。同社の武田隆海外事業本部海外BtoC事業部長は「2019年度のグループ全体の売上高における海外事業の割合は5.0%だったが、2022年度には11.3%まで成長した。利益率では海外事業が全体の40%以上を占めている」と説明。「ベトナムにあるグループ会社が連携して、販売機能やコーポレートブランディングの強化、自社商品のブランド育成に注力していく」と述べた。

ベトナムでは近年、消費者の食の安心・安全に対する意識が高まっており、高品質で健康的な日本食製品が注目を集めている。森永乳業は2021年にベトナムの乳製品メーカーのエロビ・ベトナムを完全子会社化し、2022年には森永乳業ブランド商品のヨーグルト・栄養補助飲料の現地生産および販売を開始するなど、同国における事業を拡大している。

写真 記念式典の様子(ジェトロ撮影)

記念式典の様子(ジェトロ撮影)

(児玉良平、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム、日本)

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