第1四半期の実質GDP、前年同期比4.0%の成長

(トルコ)

イスタンブール発

2023年06月08日

トルコ統計機構(TUIK)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(5月31日)によると、2023年第1四半期(1~3月)実質GDP成長率は、市場予測を上回る前年同期比4.0%増となった。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では0.3%の成長にとどまった。世界銀行は2023年のトルコの成長予測を2.7%から3.2%に上方修正している(2023年4月時点)。

第1四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出は、前年同期比で16.2%とほぼ前期並みだったが、季節・日数調整後の前期比では0.7%増と、前期の同4.9%増から減速している。民間投資を含む総固定資本形成は、震災復興需要などもあって建設部門が好調だったとみられ、前年同期比で4.9%増と伸びた。

輸出は、ロシアのウクライナ侵攻などに伴う主要市場の減速が続いており、前年同期比0.3%減、他方で、輸入は、通貨リラ安とエネルギー価格の高止まりもあり、同14.4%増となり、純輸出は前期に続いて成長減速に影響を与えた。

生産部門別にみると、サービスが前年同期比12.4%増のプラス成長と好調だった。建設も同5.1%増と前期からの回復傾向が続いている。他方、農業が同3.8%減で成長の足かせとなった。同様に、工業も同0.7%減と伸び悩んだが、製造業は同1.6%増と前期のマイナスから転じ、回復傾向がみられた。

(中島敏博)

(トルコ)

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