エストニアのスタートアップイベント「ラティテュード59」に合わせ、ジェトロがネットワーキングイベント開催

(エストニア、日本)

ワルシャワ発

2023年06月02日

バルト3国で最も大きなスタートアップイベントの1つである「ラティテュード59」がエストニアの首都タリンで5月25~26日に開催された。2023年で11回目となる同イベントには約3,000人が参加し、61カ国から約400社のスタートアップがイベント内のピッチコンテストに応募した。今回は「大胆に、たくましく、そしてインパクトを生み出す」というテーマで、世界情勢を反映して物価上昇やスタートアップの資金調達にブレーキがかかっている状況下で困難を克服するべく、関連するテーマで議論がなされた。また、ウクライナにおける戦争が長引く中、安全保障や防衛テックに関する議論も目立ち、ロシアと国境を接し、NATOにとって欧州防衛の最前線となるエストニアならではのテーマとなった。

ラティテュード59に先立つ5月24日、ジェトロは2022年に引き続き、エストニアの貿易投資機関エンタープライズ・エストニアとの共催により、「ジャパン・イノベーション・デー(Japan Innovation Day)」と題したネットワーキングイベントを開催した。テーマは、ジェトロが2021年に立ち上げた日本企業と海外企業による協業・連携を支援するビジネスプラットフォーム「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」で重点分野に定めている、カーボンニュートラルとデジタル。参加者は、欧州を拠点とする日系企業や、日本企業との協業に関心のあるエストニアのスタートアップや企業関係者など約90人で、交流を深める貴重な機会となった。

日本とエストニアは、カーボンニュートラルとデジタルという分野において共通の関心を持っており、持続可能なビジネスモデルの構築を目指している。欧州委員会が2022年7月に発表した、2022年のデジタル経済社会指標(DESI)の報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、デジタル公共サービスの分野でエストニアはEU加盟国の中で1位外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだった。エストニアにおいて、離婚以外のすべての行政サービスはオンラインで完結する。

「Japan Innovation Day」のパネルディスカッションでは、日本企業とエストニアのスタートアップの協業に携わった経験のあるパネリストが、日本企業との協業を実現するために必要なことについて議論を交わした。イベント参加者からは、「ラティテュード59のイベントに合わせて日本企業との協業に関心のあるエストニアのスタートアップに多く出会え、とても有意義なイベントだった」などのコメントが寄せられた。

写真 リバースピッチをする日本企業(ジェトロ撮影)

リバースピッチをする日本企業(ジェトロ撮影)

写真 パネルディスカションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカションの様子(ジェトロ撮影)

次回のラティテュード59は、2024年5月23~24日に開催の予定。

(吉戸翼)

(エストニア、日本)

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