大連市、新たな外資誘致策を策定

(中国)

大連発

2023年06月21日

中国の大連市政府は613日の記者発表会で、「大連市のさらなる外資の誘致・利用強化の若干措置」(以下、「若干措置」)と「大連市企業誘致仲介機関における外資案件奨励に関する指導意見」(以下、「奨励指導意見」)を発表した(69日に大連市政府常務会議で策定・可決)。「若干措置」と「奨励指導意見」はともに、ハイレベルな対外開放と質の高い外資誘致を促進することが目的。

「若干措置」は、「外資導入レベルの向上」「高水準の対外開放の推進」「外資利用構造の最適化」「投資促進方法の向上」「発展要因の支援強化」「外資企業による投資の権益保護」の6分野26項目からなる。条件を満たす外資系企業には、次のとおり奨励金を支給する。

  • 製造業と現代サービス業で登録資本金(実行ベース)が1,000万ドルを超える外資系企業に対し、600万〜1,200万元(約12,000万~24,000万円、1元=約20円)の奨励金を支給
  • 地域本部を新設する登録資本金(実行ベース)1,000万ドルを超える外資系企業に対し、800万~1,600万元の奨励金を支給
  • 大連市商務局、大連市財政局の認定基準(注)に達した外資系研究開発拠点に対し、新設補助金として50万元、100人以上の研究員を採用する場合は200万元を支給。

その他には、RCEP(地域的な包括的経済連携)協定や自由貿易試験区の促進戦略の実施、外資企業の投資の円滑化、外国人材居留や就労の利便性向上、外資投資を促進する地方レベルの法律整備などの一連の措置も含まれる。

一方、「奨励指導意見」は、仲介機関が行う、(1)外資企業の確実な投資関連情報の提供、(2)大連市と外資企業との連絡調整、(3)投資商談の推進、(4)投資意欲のある外資企業の紹介および案件化への寄与、に適用される。具体的な奨励基準として、登録資本金の実際払込額が(a500万ドル以上1,000万ドル未満、(b1,000万ドル以上3,000万ドル未満、(c3,000万ドル以上の案件に対し、それぞれ払込額の(a0.3%、(b0.4%、(c0.5%前後の奨励金を支給する。各地域は前述した基準に基づき、仲介機関に対して奨励額の10%を追加支給することも検討可能だ。

上記奨励策は、大連市によると同市独自の施策で、国内の他都市より、奨励範囲が広く、利用しやすいとしている。

(注)「大連市の外資系研究開発拠点新設補助申請に関する実施細則PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」による。

(李穎)

(中国)

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