米カリフォルニア州、メルセデス・ベンツによる標準生産車へのレベル3自動運転システム導入を許可

(米国、ドイツ)

サンフランシスコ発

2023年06月16日

ドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツは68日、自動車技術者協会(SAE、注1)が定めるレベル3(2)同社自動運転システム「ドライブ・パイロット」が、米国カリフォルニア州運輸局(DMV)から許可を取得したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は、カリフォルニア州の高速道路での使用を目的に、SAEが定めるレベル3の自動運転システムの標準生産車への導入許可を取得した最初の自動車メーカーとなる(注3)。今回の許可により、同社は自動運転システムを搭載した車両を一般向けに販売またはリースできるようになる。「ドライブ・パイロット」は米国市場において、2024年モデルのメルセデス・ベンツの「Sクラスセダン」と「EQSセダン」のオプションとして提供され、最初の車両は2023年後半に顧客に引き渡される予定だ。同社は20231月に、ネバダ州では同レベルの許可を得ている。

これにより、同社は特定の条件下で、カリフォルニア州のベイエリア、セントラルバレー、ロサンゼルス、サクラメント、サンディエゴの高速道路、および南カリフォルニアとネバダ州を結ぶ州間高速道路で「ドライブ・パイロット」の搭載車を展開することができる。ドライバーが「ドライブ・パイロット」を起動すると、システムが速度と距離をコントロールして、車両を車線内に誘導する。また、ルートプロファイル、ルート上で発生したイベント、交通標識も考慮される。さらに、予期せぬ交通状況にも対応し、車線内での回避行動やブレーキ操作なども独自に対処するという。

他方、「ドライブ・パイロット」は、日中の高速道路で時速40マイル(約64キロ)を超えない速度でのみ作動できる。市・郡内道路、工事区域、大雨・濃霧中、冠水した道路、そして、同システムのパフォーマンスに影響を与えると判断される気象条件下での作動は認められていない。車両の所有者は、メルセデス・ベンツが同システムを使用可能とする前に、システムの機能および自動運転の作動と解除の方法を説明したビデオを必ず視聴しなければならない。

(注1)航空宇宙、自動車、商用車業界に属する128,000人超のエンジニアと関連する技術専門家からなる世界的な協会。

(注2)条件付きの自動運転が可能。

(注3202368日時点で、クルーズ、メルセデス・ベンツ、ニューロ、ウェイモの4社に自動運転車の展開を認めている。

(濱真奈、石橋裕貴)

(米国、ドイツ)

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