サカタのタネ、イスラエルにイノベーション拠点を設立
(イスラエル、日本)
テルアビブ発
2023年06月12日
日本の大手種苗メーカー、サカタのタネは6月4日、イスラエルのテルアビブ近郊のレホボト市にイスラエル支店を開設した(6月8日付同社プレスリリース)。
同支店は中近東地域ではヨルダンやトルコに続く4番目となる拠点で、イスラエルの最先端の農園芸業関連技術や、中東地域の育種や営業状況などの幅広い情報収集を業務内容とするという。
ジェトロは6月8日、同支店を訪問して話を聞いた。山中哲史イスラエル支店長は開設に際して、「当社の海外拠点でも、イノベーションに特化した支店の開設は初めてだ。まずは研究機関など、エコシステムのキーとなるプレーヤーとの関係性をしっかりと作り、イスラエルの優れた技術を自社の各部門に積極的に紹介していきたい」とコメントした。
また、板井恒篤主任研究員は「イスラエルのエコシステムが優れた技術力を持っていることは、農業分野では広く知られている。実際に技術探索業務を進める中で、当社の事業とマッチしそうな企業が多く、あらためて手応えを感じている」と述べた。
イスラエルのNPO「スタートアップ・ネーション・セントラル」の調査によると、2022年のイスラエルでのアグリテック関連投資額は約8億ドルで、総投資件数は87件。分野別に見ると、投資額は8番目、投資件数は4番目に多い。全体的に停滞傾向が報じられた2022年のイスラエルのハイテク産業で唯一、前年に比べて投資件数や投資額を維持した分野となった。
(太田敏正)
(イスラエル、日本)
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