再選されたエルドアン大統領、新たな閣僚人事を発表

(トルコ)

イスタンブール発

2023年06月06日

5月28日の決選投票で再選されたトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領(2023年5月30日記事参照)は6月3日、国会において就任宣誓を行った外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。また、同日夕刻、新たな閣僚名簿が発表された(6月4日付官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

新閣僚は全て与党の公正発展党(AKP)の幹部から起用された。国会議員は含まれていない。また、前内閣からの留任は保健相と文化・観光相のみとなった(添付資料表参照)。

国庫・財務相には、過去に財務相経験のあるメフメット・シムシェキ氏が任命された。シムシェキ氏は任命後のスピーチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「トルコには、合理的な経済政策に戻る以外の選択肢はない。透明性があり、国際基準に合致した経済環境づくりを重視する。インフレ率を1桁台に引き下げ、経常赤字の削減に向けた改革が必要だ」と述べ、今後の経済政策を転換することを示唆した。また、副大統領に任命されたジェウデット・ユルマズ氏も、経済畑での経験が長いことから、経済、金融政策の変更が期待されている。

貿易相に任命されたオメル・ボラト氏は、建設、輸送、メディア、港湾運営などを手掛けるアルバイラク・ホールディングの最高経営責任者(CEO)だった人物で、独立工業・企業家協会(MUSIAD)の会頭、海外経済関係評議会(DEIK)の理事などを務めた。

外相に任命されたハーカン・フィダン氏は、13年間にわたって国家情報機関(MIT)の長官を務め、エルドアン大統領の腹心として知られている。報道によると、フィダン氏はMITの長官時代に、クルド労働者党(PKK)との和平プロセスのほか、サウジアラビア、イスラエル、エジプト、シリアと外交関係が悪化していた時に、関係正常化の話し合いに関わっていたとされる。

(エライ・バシュ)

(トルコ)

ビジネス短信 8a4b46eb36b39639