米フェニックス市議会、新たな節水対策を承認、州知事は水不足予測モデル発表

(米国)

ロサンゼルス発

2023年06月22日

米国アリゾナ州のフェニックス市議会は6月13日、干ばつ対策や節水目標の推進に向けた「持続可能な砂漠の開発方針」を承認したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。開発方針には、機能性を持たない装飾的な芝生(注1)への規制や、環境保護庁(EPA)が定めた節水規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどの認証への対応義務付け、乾燥に強い植物や在来植物の植栽、野外での灌漑基準の設定、プールに関する基準の強化などに関する規定が盛り込まれた。

また、アリゾナ州のケイティ・ホッブス知事(民主党)は6月1日、フェニックス市とその周辺地域を含むフェニックス活性管理区域〔Active Management Area(AMA)〕の地下水モデルに関する最新のレポートを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同レポートでは、現在と将来的に予測される地下水のくみ上げ量を評価した上で、今後100年間で域内需要の約4%に当たる486万エーカーフィート(約60億立方メートル)の水が不足するとし、さらなる節水措置の必要性を警告している。ホッブス知事は節水強化に向け、米国救済計画法の基金から4,000万ドルを投資し、水インフラや持続可能な地下水管理を促進することも併せて発表している。

ホッブス知事の発表を受け、フェニックスAMA域内での地下水に依存する新規住宅建設プロジェクトに対しては、100年保証水供給証明書の発行が一時停止されることになる(注2)。

(注1)カリフォルニア州サンタクララ水資源管理当局の資料では、機能的でない(non-functional)芝生には、道路沿いなどにあるものや装飾的な目的で用いられているものが挙げられている。一方、機能的な芝生の例には、スポーツや集会、レクリエーションなどが行われる公園や学校、一戸建ての敷地内などで用いられているものがある。

(注2)アリゾナ州では地下水源管理法により、土地の開発者は100年分の水資源が確保されていることを事前に証明する義務がある。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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