三井物産、米国で生産のバイオメタノール供給・調達体制を旭化成と構築へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年06月12日

三井物産は6月8日、旭化成と、米国で生産するバイオメタノールの供給・調達スキームを構築すると発表した。このスキームを通じて、旭化成は三井物産から調達したバイオメタノールを原料として、従来品よりカーボンフットプリントの低いエンジニアリングプラスチックを日本で生産する予定だ。

発表によると、三井物産は米国で都市廃棄ごみから出るバイオガス経由の再生可能天然ガス(RNG)を調達し、マスバランス方式(注1)を用いて現地合弁会社でバイオメタノールを生産している。サステナビリティー特性を最終製品に信頼性を持って伝えるため、両社はサプライチェーンで国際持続可能性カーボン認証「ISCC PLUS認証」を取得しているという。これにより旭化成は、三井物産が製造したバイオメタノールを調達し、マスバランス方式で同原料を割り当てた各種エンジニアリングプラスチックを販売することが可能となる。

旭化成は「カーボンニュートラルでサステナブルな世界の実現」を目指しており、バイオマス原料や再生原料、再生可能エネルギーの使用などの取り組みに注力している。旭化成グループはこれらの製品・サービスの提供をより進めることで、社会や顧客の期待に応えていく方針だ。

三井物産はバイオメタノールを含む低炭素メタノールの供給をはじめとして、さまざまな事業を通じて顧客のスコープ3(注2)での温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組み、社会全体の持続可能な発展への貢献に努める方針だ。

三井物産は米国でもカーボンニュートラル化に資する事業に取り組んでおり、4月にバイオディーゼル燃料ソリューション機器製造の米国オプティマスへの出資を発表している(2023年4月25日記事参照)。

(注1)バイオマス原料などと化石燃料由来の原料を混合供給して製品を製造した際に、投入したバイオマス原料などの割合に応じて、製品の生産量を割り当てる方式。

(注2)GHG直接排出量(スコープ1)とエネルギー起源間接排出量(スコープ2)以外のその他間接排出量。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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