ITハードウエア分野の生産連動型奨励策(PLI)2次募集開始

(インド)

ニューデリー発

2023年06月12日

インド電子情報技術省(MeitY)は5月30日、ITハードウエア分野における生産連動型奨励策(PLI)の2次募集の要綱を発表した。同省は2021年7月に実施した当該分野の1次募集で既に14社の申請を承認しているが、今回はインセンティブの内容を一部変更した上での2次募集となる。

PLIは、分野ごとの適格基準を満たせば、新規工場を設立した製造業企業に対し、売上高の増加額に応じてインセンティブ(補助金)が支給されるスキームだ。今回2次募集のあるITハードウエア分野で対象となる品目は、ノートPC(パソコン)、タブレット、一体型(オールインワン)PC、サーバー、超小型のフォームファクタ機器で、各企業が申請する投資予定金額には、設備投資以外に、半導体設計、IC製造、パッケージングなども含めることができる。申請者は、初年度にPCBA(プリント回路基板アセンブリ)およびアセンブリ、2年目以降も特定部品のうち少なくとも1つは現地化をする必要があるものの、各種要件を満たせば、最長6年間にわたり売上高増加額の平均5%のインセンティブが受給できる仕組みだ(注)。

同省によると、1次募集では、732億5,000万ルピー(約1,245億2,500万円、1ルピー=約1.7円)の予算が計上されており、合計で251億7,000万ルピーの投資総額、3万6,000人以上の新規直接雇用が見込まれる計画が承認されていた。2次募集では、新たに1,700億ルピーもの予算が計上されており、投資総額243億ルピー以上、7万5,000人以上の新規雇用創出が期待されている。

インド政府は、「メーク・イン・インディア」というスローガンの下、国内製造業の振興を推進しており、全14分野を対象としたPLIはその目玉政策だ(添付資料表参照)。中でも、今回2次募集が行われるITハードウエア分野では、インド国内における市場が年々拡大している一方で、ノートPCやタブレットは輸入に大きく依存しているのが現状だ。インド政府は、PLIをはじめとした各種施策による製造業誘致により、将来的にインドが国内市場だけでなく海外の需要にも応えるグローバルな輸出ハブに成長することを標榜(ひょうぼう)している。

(注)ただし、1社が受けられる補助金額には上限あり。

(高際晃平)

(インド)

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