改正版「生態環境行政処罰弁法」、7月1日から施行

(中国)

北京発

2023年06月01日

中国生態環境部が5月16日に発表した改正版「生態環境行政処罰弁法」(部令第30号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、7月1日から施行される。

今回の改正で、適用範囲に核と放射能の分野が新たに追加され、条文数は82条から92条に増えた。本弁法は、総則、実施主体と管轄、環境行政処罰の通常プロセス、簡易プロセス、実施、判決と書類整理、監督、付則の計8つの章から構成される。同弁法は2010年3月施行の旧条例の改正版で、改正の具体的な内容は次のとおり。

  • 処罰の種類を改正し、整備した。
  • 調査および証拠収集に関する規定を改正し、整備した。調査中止と終止(注1)の状況に関する規定が追加され、それらが調査終結(注2)の状況と区別されるようにした。
  • 行政処罰の裁量権に関する規定を整備した。行政罰法の規定に基づき、処罰が科されない状況を整備し、処罰を軽減する状況が追加された。例えば、当事者の同一の違法行為に対して、2回以上の罰金を科す行政処罰を与えてはならない。同一の違法行為が複数の法律規則に違反した場合、罰金を科さなければならず、その際の罰金額は金額が高い方の規定に基づき処罰する。また、以下の状況にあたっては行政処罰を与えないものとする。(1)違法行為が軽微かつ速やかに是正され、生態および環境に対し危害を及ぼさない場合、(2)初めての違法行為で、生態および環境への危害が軽微かつ速やかに是正された場合、(3)当事者が、主観的な過失がないことを十分に証明できる場合。
  • 行政処罰のプロセスを規範化および精緻化した。公聴会を実施する条件とプロセスに関する要求を新たに追加した。重大な法執行決定に対する法制度監査の範囲、監査の内容、監査意見を明確化し、重大事件対する集団討論の範囲を精緻化した。
  • 行政処罰に関する情報公開の内容を追加した。
  • 環境行政処罰の期限と罰金額が改められた。例えば、生態環境主管部門は立案日から90日以内に、行政処罰について決定を下さなければならない。違法の事実が明らかで法定の根拠を有するため、公民に対して200元(約4,000円、1元=約20円)以下の罰金、法人もしくはその他組織に対して3,000元以下の罰金もしくは警告による行政処罰を科す場合、簡易プロセスを適用し、その場で行政処罰の決定を下すことができる。

(注1)調査終止とは、調査や証拠収集が一定の段階まで進み、行政処罰の手続きを継続しないことを意味する。

(注2)調査終結とは、調査や証拠収集の作業が終了し、処罰などの段階に進むことを指す。

(趙薇)

(中国)

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