XR関連カンファレンス・展示会「AWE USA 2023」がシリコンバレーで開催、日系企業が現地でPR

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2023年06月12日

クロスリアリティ(XR、注)関連サービスを対象とするカンファレンス・展示会「AWE USA 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が531日~62日、米国カリフォルニア州サンタクララで開催された。主催者によると、3日間で400人を超えるスピーカーが登壇し、XRに関するWeb3、ゲーム、セキュリティーなどさまざまなテーマでセッションが行われ、登録参加者数は5,000人を超えた。また、612日には、9,000平方メートルを超える展示会場が設置された。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

展示会には、知名度の高いメタ、クアルコム・テクノロジーズ、ナイアンティックのほか、キヤノン、エプソン、ソニー・ミュージックエンタテインメントといった大手日系企業など240社以上が出展した。また、日系スタートアップや中小企業も複数出展しており、日系企業にとっても注目度の高いイベントであることがうかがえた。

出展していた日系企業のうち、アロマジョイン(本社:京都府京都市)は香りの制御技術に特化したスタートアップだ。同社が開発したアロマシューターは、仮想現実(VR)などの映像に即した香りを噴射することで、没入感をより高める効果が得られるという。同社のキム・ドンウク最高経営責任者(CEO)は「今回が初出展。本展示会で香りを扱っている企業はほかにないため、メディアを含め興味を持ってブースに立ち寄ってくれるお客さんが多い。パートナー候補やベンチャーキャピタルとも話すことができたので、継続してフォローしていきたい」と手応えを語った。

写真 アロマジョインの出展ブース(ジェトロ撮影)

アロマジョインの出展ブース(ジェトロ撮影)

また、ヴィラーリ(日本支社:東京都渋谷区)は、日本人起業家が米国で立ち上げたスタートアップで、XRアプリの開発を得意としている。同社が開発したビートレは、VRを活用し、製造現場や店舗などさまざまな場面で、ヘッドセット、デスクトップ、スマートフォンなどあらゆるデバイスで精度の高いジョブトレーニングを行うことができる。トレーニングコストの削減やオペレーションの品質向上に貢献するという。同社の小林大河最高経営責任者(CEO)は「本展示会では、米系企業のみならず、出展中の日系企業などともネットワークをつくることができた。日本企業の海外進出は進んでいるが、採用後のトレーニングに関する課題は尽きない。この機会をしっかりと自社のPRに生かしたい」と話した。

写真 ヴィラーリの出展ブース(ジェトロ撮影)

ヴィラーリの出展ブース(ジェトロ撮影)

AWEのカンファレンスは今後、2023年8月30~31日にシンガポールで、2023年10月24~25日にオーストリアで開催される予定。2024年の米国開催は、カリフォルニア州ロングビーチで6月18~20日を予定している。

(注)仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)などの仮想世界と現実世界を組み合わせて両者を融合させる技術の総称。

(石黒誠也)

(米国、日本)

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