アニメコン・ダッカ開催、アニメファン約1,500人が参加

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年06月19日

ダッカ市内のトウキョウ・スクエア・コンベンション・センターにおいて6月2日、バングラデシュ最大のアニメ・コンベンション「アニメコン・ダッカ(AnimeCon Dhaka)」が開催され、約1,500人のアニメファンが来場した。本イベントは今回で6回目の開催で、ファン組織のアニメコン・ダッカが主催し、映画館大手のスター・シネプレックスも協力した。チケット価格は事前購入の場合250タカ(約325円、1タカ=約1.3円)、会場での当日購入の場合は300タカだった。

同イベントでは、コスプレコンテスト、カラオケパフォーマンス、アニメに関するクイズ大会などがステージで催されるとともに、会場にはゲームコーナーや、アニメ関連グッズを販売する店舗の出展もみられた。コスプレイヤーが扮するキャラクターは多岐にわたり、ナルトやセーラームーンを筆頭に、フェアリーテイル、ジョジョ、チェンソーマン、ソウルキャリバーなどアニメからゲームまで幅広い。バングラデシュにおいてこれらのアニメは、ユーチューブ(YouTube)やネットフリックス(Netflix)などを通じて、日本語音声英語字幕で視聴されるケースが多く、ファンの多くは英語が流暢な高学歴・高所得層だ。同イベントにも10代後半から20代前半にかけての英語が堪能な若者の来場が多くみられ、コスプレコンテストの審査も英語で実施された。主催者アニメコン・ダッカのフェイスブックページには1万4,000人のフォロワーがおり、同団体はバングラデシュ全体で5万人のアニメファンがいると推計する。今後は、ベンガル語での配信などを通じたより幅広い層へのリーチが期待される。

アニメコン・ダッカの共同創設者オリ・シャフリアル・ハサン氏は「想定よりも多い来場者数に驚いた。多くの来場者がイベントを楽しんでくれたようだが、今後は、適切なエアコンの稼働、ボランティアによる雑踏の管理、アニメをテーマとした会場の装飾などの点で改善が必要だ」と話す。

また、インドから訪れ、イベントを視察したバンダイナムコインディアの八木健夫COOは「イベント規模はインドと比較して小さいものの、ファンの熱量は同程度に高く、日本のアニメ人気は一過性のものではないように感じた。一方で、会場内ではアニメキャラクターの非正規品・模倣品の販売が行われており、インドと同様にバングラデシュでも、知的財産の保護と正規品の流通が課題となることが想定される」と感想を述べた。

アニメコンは、8月25日に同国第2の都市である南部のチョットグラムでも同じ主催者により開催される予定だ。

写真 コスプレコンテストの優勝者のパフォーマンス(ジェトロ撮影)

コスプレコンテストの優勝者のパフォーマンス(ジェトロ撮影)

(薄木裕也)

(バングラデシュ)

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