上海市、個人情報の域外移転標準契約の届け出方法を通知

上海市インターネット情報弁公室は6月7日、「個人情報の域外移転標準契約の届け出方法に関する通知」を発表した。

6月1日から施行された「個人情報域外移転標準管理弁法」では、個人情報取扱者が標準契約を締結して域外に個人情報を提供する場合は、個人情報保護影響評価を実施した上で、個人情報取扱者と域外受領者との間で個人情報の取り扱いに関する標準契約を締結、当該標準契約発効後10営業日以内に省級ネットワーク部門に届け出ることとされている。今回の通知では、上海市に所在する個人情報取扱者に対し、標準契約発効後の届け出に関する問い合わせ先、適応対象、必要書類、届出方法を示している。

なお、「個人情報域外移転標準管理弁法」の施行を前に、国家インターネット情報弁公室が「個人情報越境標準契約届け出ガイドライン（第1版）」を公表しており、域外移転の定義や、標準契約の届け出方法、各届け出資料のひな型などを示している（2023年6月6日記事参照）。概要は次のとおり。

（1）適応対象

個人情報取扱者が上海に所在し、かつ、以下の条件を満たしている者。

1. 重要情報インフラ運営者に該当しないこと。
2. 取り扱う個人情報が100万人分未満であること。
3. 前年1月1日から起算し、域外に提供した個人情報が累計で10万人分未満であること。
4. 前年1月1日から起算し、域外に提供した機微な個人情報が累計で1万人分未満であること。

（2）必要書類

「個人情報越境標準契約届け出ガイドライン（第1版）」に基づく必要書類。

1. 統一社会信用コード証明書
2. 法定代表人の身分証明書
3. 手続き代行者の身分証明書
4. 手続き代行者への授権委託書
5. 承諾書
6. 個人情報越境標準契約書
7. 個人情報保護影響評価報告書

（3）届け出方法

個人情報取扱者は、標準契約の発効日から10営業日内に、書面と電子版の書類を上海市インターネット情報弁公室へ提出し、届け出なければならない。

1. 個人情報取扱者は、完備した電子版書類を書類受付専用アドレスまで事前にメール送信。
2. 電子版書類に対する審査が通った後、オフラインで書面と電子版の書類を窓口に提出する。電子版は書面書類と一致するスキャンしたPDFファイルとし、CD-ROMまたは他のメモリー媒体で提出しなければならない。提出書類には「企業名＋個人信息出境標準合同備案材料」と注記すること。

（4）資料送付先、問い合わせ先（注）

• 上海市インターネット情報処（中国語：網絡安全処）
• 住所：上海市徐匯区宛平路315号
• 書類受け付け専用アドレス：wxbsjcj@shxc.gov.cn
• 電話番号：＋86（21）6474－3030（内線番号2711）（中国語のみ）
• 受付時間：中国時間午前9～11時、午後2～5時（土日祝日を除く）
• 問い合せの際には、問い合わせ者（企業）の情報を明示することが必要。

（注）資料送付先と問い合わせ先は、上海市インターネット情報弁公室が6月7日に公式WeChatアカウントで発表した通知で確認（6月12日時点の確認）。

（神野可奈子）