商船三井、洋上LNG生産設備の開発・運営事業の米デルフィン・ミッドストリームに出資へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年06月12日

海運大手の商船三井は6月9日、シェールガスを原料とした浮体式液化天然ガス(LNG)生産設備(FLNG)の開発を行う米国のデルフィン・ミッドストリーム(本社:テキサス州ヒューストン)への出資を決定し、同社と戦略的出資契約を締結したと発表した。

発表によると、商船三井はこの出資契約によってFLNG保有会社に出資する権利も得る。商船三井はこれまでに培ってきたLNG船の建造や運航ノウハウを生かして、デルフィンのプロジェクト推進を支援するという。

商船三井の橋本剛代表取締役社長は「この度、デルフィンとのパートナーシップを発表でき、うれしく思っている。これまで当社が築いたLNG輸送船や浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU、注)プロジェクトなどで得た豊富な専門知識を活用し、共同でプロジェクトを推進していく。まずは最初のFLNGの最終投資判断(FID)に向けて共同で取り組んでいく」と述べた。

デルフィンのダッドレー・ポストン最高経営責任者(CEO)は「商船三井とのこの戦略的な契約を締結できることを大変うれしく思っている。商船三井の広範な海運・海洋分野の専門知識は、当社の低コストで洗練されたFLNG事業のさらなる実現性の向上に寄与し、デルフィンに大きなメリットをもたらす。商船三井による出資は、現在計画中の最初のFLNGのFIDに生かされる。商船三井は長い歴史を持つLNG業界のリーディングカンパニーで、FSRUなどの革新的な事業を積極的に行っている。私たちは今年(2023年)後半にFIDを行う過程で商船三井と連携していくことを楽しみにしている」と述べた。

今回の出資契約を通して両社は相互の協力関係を強固なものとし、FLNGプロジェクトを成功させ、LNG産業をさらに発展させることを目指す方針だ。

(注)Floating Storage and Regasification Unitの略で、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備を指す。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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