産業・職階層別に最低賃金を引き上げ

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年06月14日

コートジボワール政府は、2023年5月19日付雇用・社会保障省令第0050号で、民間部門の労働協約に基づく職階層別最低賃金(SMCC)の増額改定を定めた。産業ごとに職階層別の増額率が示され、引き上げ率は9~21%となっている。

政府は今回の改定に先立ち、昨今の国際情勢を背景とした生活費の高騰とインフレ進行を踏まえて、国家公務員給与、年金支給額を引き上げ、続いて2023年1月1日から法定最低賃金(全産業最低保証賃金、SMIG)を引き上げた(2022年12月26日記事参照)。これと並行して、職階級別の最低保証賃金の改定についても労使間での協議が続けられ、2023年3月31日までの合意を目指していた。

また、6月8日付同省通達によると、現行の賃金水準が改定後のSMCC水準と同一またはそれを上回る場合、雇用主は新たに賃金を引き上げなくてもよいとしているが、省令の趣旨に基づき、可能であれば労使協議を通じて、賃金引き上げに前向きな取り組みを求めている。

なお、SMCCの引き上げは、2023年1月1日にさかのぼって実施される。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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