5月の物価上昇率、前月比7.8%増、4カ月連続で年率100%超え
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2023年06月29日
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は6月14日、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は全国平均値で前月比7.8%増だったと発表した。4月のCPI上昇率8.4%から減速したものの、高止まりしている。前年同月比(年率)では114.2%増と、4カ月連続で100%を超えた(添付資料図参照)。また、1~5月累計の物価上昇率は42.2%に達した。
前月比の伸び率を5月単月でみると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは6.0%増で、前月の12.6%に比べて落ち着いた。一方、エネルギーや公共サービスなど価格統制された財・サービスは9.0%増、季節要因と価格統制要因を除いたコアインフレ率は7.8%増と前月の水準を上回る高い伸び率だった。
前月比の伸び率を費目別にみると、高い上昇率を記録したのは、住宅・光熱・その他燃料の11.9%増、外食・ホテルの9.3%増、医療・健康の9.0%増だった(添付資料表1参照)。INDECによると、電気と天然ガスの公共サービス料金、医薬品、医療保険サービスの値上げなどがこれらの伸びに大きく影響した。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)では、パン類、乳製品や鶏卵の価格が高騰した。
ジェトロが6月16日にブエノスアイレス市内で独自に行った価格調査(添付資料表2参照)でも、パン類、牛乳、鶏卵の大幅な値上げが確認されたほか、家電、ファストフードなどでも2桁の伸びが見られた。
今後の見通しについて、中央銀行が毎月集計する民間エコノミストらの経済見通し報告(REM)は、2023年のCPI上昇率を前年比148%、1年後の2024年5月は前年同月比171.1%、2024年は前年比105.7%、2025年は同56.7%と予測している。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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