富士フイルム、米企業から半導体プロセスケミカル事業を7億ドルで買収へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年05月12日

富士フイルムは5月10日、米国の半導体材料メーカーであるインテグリスのグループ会社で、半導体用プロセスケミカル事業を展開するCMCマテリアルズKMG(本社:米国テキサス州フォートワース、以下KMG)を7億ドルで買収すると発表した。

発表によると、半導体の高性能化に伴って、半導体の微細化・多層化が進み、製造プロセスがより複雑化している。このような中、半導体用プロセスケミカルの使用頻度が加速度的に増え、その市場は成長しているという。

今回の買収を通じて、富士フイルムは、半導体製造プロセスを広くカバーする製品ラインアップで総合提案力を高め、顧客の製造プロセスの課題解決を図っていくとしている。また、欧米での製造拠点の拡充などにより、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化に貢献するとしている。さらに、KMGの高い精製技術と、富士フイルムが持つ、幅広い半導体材料を開発・製造できる高度な研究開発力・品質保証力などを組み合わせて、より高純度化した半導体用プロセスケミカルなど最先端ニーズに対応した半導体材料を開発・提供することで、半導体のさらなる高性能化に寄与していくという。

富士フイルムは、中長期的な成長が見込まれる半導体市場に向けて、最先端の半導体材料を開発しグローバルに提供していくことで、電子材料事業をさらに拡大するとともに、半導体業界の発展に貢献していく方針だ。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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