シンガポールとカザフスタン、サービス・投資協定に署名

(シンガポール、カザフスタン)

シンガポール発

2023年05月26日

シンガポールのタン・シーレン第2貿易産業相兼人材開発相と、カザフスタンのセリク・ジュマンガリン副首相兼貿易・統合相は5月22日、両国間のサービス貿易と投資に関する協定に署名した。

同協定により、サービス分野での相互優遇アクセスや、投資での良好で予見可能な条件、国際的な慣行に従った高水準の投資家保護が規定される。シンガポール貿易産業省は同日に公表した同協定のファクトシート(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内に添付)で、(1)15分野(注1)でのシンガポール企業のカザフスタン市場アクセス改善、(2)17分野(注2)での契約に基づくサービス提供者(注3)のシンガポールからカザフスタンへのアクセス(自然人の移動によるサービス提供)などを同協定から得られる利益としてとして挙げた。

シンガポール外務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同協定は、ユーラシア経済連合(EAEU)とシンガポールとの間で2019年10月に署名された包括的経済協力の枠組み協定に基づくもの。同枠組み協定に定める目的達成のため、自由貿易協定(EAEUSFTA、201910月署名)、さらにはEAEU加盟5カ国とシンガポールとのサービス・投資協定の締結が目指されている。

なお、カザフスタンとシンガポールとの間では2国間投資協定が2018年11月に署名されている。シンガポールでの批准手続きは2023年4月に終えており、カザフスタンでの手続きの後に発効する。

ファクトシート(既出)によると、シンガポールとカザフスタンとの2国間財貿易総額(2022年)は4億1,200万シンガポール・ドル〔約421億8,880万円、Sドル、1Sドル=約102.4円(注4)〕、サービス貿易総額(2020年)は1,500万Sドル。シンガポールのカザフスタンへの主なサービス輸出は、ビジネス・マネジメント・サービス、金融サービス、通信・コンピュータ・情報サービス。

(注1)(1)専門医師サービス、(2)歯科医師サービス、(3)自然科学の研究と試験的開発(R&D)のサービス、(4)学際的なR&Dサービス、(5)契約に基づいて報酬を受けて行う居住用・非居住用財産の管理サービス、(6)経営相談に関連するサービス、(7)建築物の清掃サービス、(8)写真サービス、(9)翻訳・通訳サービス、(10)インテリア・デザインサービス、(11)その他特殊デザインサービス、(12)興行サービス(演劇、生演奏、サーカスのサービス含む)、(13)染色・色染サービス、(14)葬式・火葬・葬儀取り扱いサービス、(15)ヘアードレッシング・その他美容サービス。

(注2)(1)法律サービス、(2)会計・簿記サービス、(3)税務サービス、(4)建築サービス、(5)エンジニアリングサービス、(6)総合エンジニアリングサービス、(7)都市計画、景観設計サービス、(8)電子計算機とその関連サービス、(9)広告サービス、(10)市場調査サービス、(11)経営サービス、(12)経営相談に関連するサービス、(13)技術検査・分析サービス、(14)鉱業に付随する助言・相談サービス、(15)科学、技術に関する相談サービス、(16)アフターセールスサービス契約に基づく機器(輸送機器含む)の保守、修理、(17)環境サービス。

(注3)少なくとも5年の職業上の経験が必要。

(注4)5月22日時点(シンガポール通貨金融庁発表)。

(朝倉啓介)

(シンガポール、カザフスタン)

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