送電料金が6.3%値上げ、企業負担増に懸念

(ロシア)

欧州課

2023年05月16日

ロシア政府は、国有送電会社ロスセチによる送電料金を5月1日から6.3%引き上げた。ミハイル・ミシュスチン首相が署名した連邦政府指示第1113-r号を受けたもの。料金引き上げは12月末までの時限的措置。

インターファクス通信(5月1日)によると、ロシアのほとんどの連邦構成体を対象に、直近で2022年12月に設定された送電料金が月額24万909.33ルーブル(約41万円、1ルーブル=約1.7円)/メガワットのため、引き上げ後の料金は25万6,086.618ルーブル/メガワットとなる。北コーカサス地域の一部の連邦構成体では割引料金が適用される。

連邦反独占局(FAS)は、本引き上げにかかわらず家庭向け電気料金の引き上げは行われないと説明していることから(タス通信5月1日)、値上げ分は企業向けに全面的に転嫁されることが懸念されている。モスクワ市住宅関連機関連盟のコンスタンチン・クロヒン議長も、家庭向け電気料金は上がらないように調整され、送電料金の引き上げ分は企業向けに反映されるとみている(NGS・ルー5月3日)。

ロスセチが送電料金を引き上げた理由は、ロシア鉄道が計画するロシア東部の鉄道網の強化の一環としての送電関連設備向けの新規投資資金の確保とされる。

以前からロスセチは、東部の鉄道整備プロジェクト実施のために追加の資金調達が必要だと主張していた。調達手段として国家予算や国民福祉基金も資金源として検討されたが、送電料金の引き上げが採択された(ネフテガス・ルー5月2日)。

(欧州課)

(ロシア)

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