ベンガルール国際空港、スマートフォン輸出の伸びが顕著

(インド)

ベンガルール発

2023年05月12日

インド・ベンガルール国際空港からの2022年の輸出総額は67億1,100万ドルとなり、2020年比で7割以上の伸びを示した(添付資料表1参照)。米国を中心としたスマートフォン輸出の増加が全体の伸びを牽引している(添付資料表2参照)。

2022年の米国向け輸出は19億6,300万ドルに上り、輸出先としては2018年以降5年連続で第1位となっている。品目別では、電気機器(85類)が7億7,400万ドルと輸出全体の4割近くを占め、うちスマートフォンが4億3,700万ドルに上った。2020年は医薬品が1億3,100万ドルと品目別で第1位だったが、2022年は1億900万ドルと全体に占める割合は低下し、代わりにスマートフォンを含む携帯電話関連製品の伸びが目立った。

2022年の日本向け輸出は4億1,000万ドルと、輸出全体に占める割合は6.1%と低いものの、2020年比で3.3倍で、米国に次ぐ第2位となった。品目別では、電気機器(85類)が3億ドルと輸出全体の7割以上を占め、うちスマートフォンが9,900万ドルに上った。欧州に関しては、2022年のオランダ、チェコ、イタリアへの輸出の伸びが特に大きいが、米国や日本と同様に、スマートフォンの輸出増が全体の伸びに大きく貢献している。

新型コロナ禍の下、ゼロコロナ政策を敷いた中国では、iPhoneの製造工場で一時期、隔離措置を強化したことが生産に大きな影響を及ぼした。そうした背景もあり、近年、台湾の電子機器受託製造(EMS)大手を中心に南インドでiPhoneの生産が拡大しており、2022年以降、ベンガルール国際空港から各国へのスマートフォン輸出が大きく伸びていると推測される。

電気機器製品を中心に、中国からASEANやインドへ生産拠点を分散化する動きが広がる中、ナレンドラ・モディ首相が推し進める「メーク・イン・インディア」(Make in India)政策の後押しもあり、今後も南インドでのスマートフォン生産は拡大していくだろう。ベンガルール国際空港からの輸出も当面は増加傾向が続くことが予想される。

(水谷俊博)

(インド)

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