ヌエボレオン州が起亜の工場拡張と電気自動車生産開始を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2023年05月17日

メキシコ北東部ヌエボレオン州のサムエル・アレハンドロ・ガルシア・セプルベダ知事は5月15日、訪問先の韓国ソウルにおいて、韓国完成車メーカーの起亜が、同州ペスケリア工場の拡張と同工場での電気自動車(EV)新モデルの生産を開始すると発表した(同州政府ウェブサイト5月15日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

起亜は2016年からペスケリア工場を稼働し、起亜ブランドのフォルテやリオ、現代ブランドのアクセントを生産している。サムエル州知事は自身のツイッターアカウントで、今回の投資について「この投資によって、ヌエボレオン州は最も多くのブランドの電気自動車が生産される州になる。テスラ、起亜および現代のモデル、そしてナビスターの電気トラックだ。われわれは『環境保護を疎かにしないサステナブルな豊かさをつくる』という約束を守ろうとしている」と発言した。

フォルヴィアやZFに続く欧州系の追加投資も

自動車分野での投資は、特にメキシコ北部で盛り上がりを見せており、2023年3月末にはフランスのフォルヴィアやドイツのZFが新規投資を発表した(2023年4月7日記事参照)。

ヌエボレオン州政府が5月12日に発表したところによると、これに続く欧州系自動車部品1次サプライヤー(Tier1)の投資として、イタリアのブレーキシステムメーカーのブレンボが2億700万ドルの追加投資を行い、2021年に開始したキャリパー生産工場(ヌエボレオン州エスコベド市)の拡張工事を完了させる見込みだ。5月12日付の地元紙「エル・フィナンシエロ」によると、今回の3万平方メートルの拡張により、同工場のキャリパーの生産能力は向こう5年間で2倍になる。同社は、ヌエボレオン州エスコベド市に2工場、同州アポダカ市に1工場の計3工場を有しており、ガソリン車とEVの両方に向けた製品を生産している。

(渡邊千尋)

(メキシコ)

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