中部タインホア省で日本ベトナム外交樹立50周年記念の経済セミナー開催

(ベトナム、日本)

ハノイ発

2023年05月10日

ベトナム中部タインホア省で5月6日、日越友好議員連盟とタインホア省、ベトナム外務省、ジェトロは経済・投資セミナー「ベトナムと日本をつなぐタインホア会議2023」を開催した。日本ベトナム外交関係樹立50周年の機を捉え、日越友好議員連盟の二階俊博会長ら約100人の代表団のベトナムとタインホア省訪問に合わせて企画されたもの。グエン・ミン・ブ外務次官やド・チョン・フン・タインホア省共産党委員会書記、二階会長、山田滝雄・駐ベトナム大使、石黒憲彦ジェトロ理事長らをはじめ、両国の政府、企業関係者ら約600人が参加した。

セミナーは「迅速かつ持続可能な開発に向けた協力強化」を全体テーマとし、「経済、労働人材」「観光、地方交流」の2部構成で議論が交わされた。冒頭のあいさつでフン書記は、日本からタインホア省への投資は累計17件、66億ドルに上り、日本は同省への外国直接投資金額の45.7%を占める最大の投資国だと言及。今後、インフラ整備などの課題解決のため日本のODA活用を望むとともに、行政手続きの簡素化や、企業が求める人材の供給などに注力し、日本企業が最大限の利益を出せるよう環境整備をしていくとの方針を示した。

経済、労働人材をテーマとしたセッションでは、ジェトロ・ハノイ事務所の中島丈雄所長が大都市から地方へとシフトする対ベトナム投資の状況などを解説。技術力を有する日本とコスト競争力があるベトナム、課題先進国の日本とこれから課題に取り組むベトナムというように、両国は非常に良い補完関係にあると述べた。

タインホア省のギソン製油所に出資参画する出光興産の三木順執行役員は、同社が取り組む次世代エネルギーや木質ブラックペレット、二酸化炭素(CO2)貯留技術開発などを紹介し、エネルギーの安定供給とともにベトナムの脱炭素化にも貢献していく方針を示した。

ショッピングモールを展開するイオンモールベトナムの中川哲以社長は、同社の幹部登用・人材育成事例を紹介。計画中のタインホア省でのモール建設をはじめ、ベトナム国内での出店拡大のため、ベトナム人7人を部長職に登用したと述べた。

観光、地方交流をテーマとしたセッションでは、日本政府観光局(JNTO)の蔵持京治理事長代理が持続可能な観光をコンセプトとする日本の観光政策を紹介し、観光開発や情報発信に関する今後の連携を提案。山梨県の長崎幸太郎知事、新潟県の橋本憲次郎副知事がそれぞれの県の観光の魅力をPRした。

ベトナム観光総局のハ・バン・シエウ副総局長は、相互の観光客の往来や、魅力発信コンテンツ作成などのために連携を深める余地があると意欲を見せた。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

(萩原遼太朗)

(ベトナム、日本)

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