世界最大規模の農業技術見本市、2年連続で販売記録更新、中国製ドローンに存在感

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2023年05月16日

ブラジルのサンパウロ州で5月1日から5日にかけて、世界最大規模の農業技術見本市「アグリショー2023」(注)が開催された。アグリショー事務局は5月5日、公式ユーチューブサイトで、イベント期間中の農業関連機器の売上高が132億9,000万レアル(約3,588億3,000万円、1レアル=約27円)を記録したと発表した。2年連続で過去最高額を上回った(2022年5月19日記事参照)。来場者数も2022年を上回る19万5,000人だった。なお、公式サイトによると、「アグリショー2024」の開催日は2024年4月29日~5月3日を予定している。

アグリショー事務局が作成した「アグリショー2023年の総括」によれば、ブラジル機械・装置工業協会(Abimaq)のジョアン・カルロス・マーシェザン副会長は「アグリショーは年々、力強い成長を見せている。アグリショーはさまざまな耕作面積を有する農業生産者に対応し、さまざまな企業文化がある彼らに訴求できる機械、テクノロジー、ソリューションを紹介することで、農業生産者の成長に必要なニーズを満たしている。」とコメントした。

アグリショーは、最新の大型農機の展示のみならず、売買が見本市の会場内で行われることも特徴。アグリショー事務局は、一部出展企業の販売状況を公式サイトで発表している。同公式サイトによると、ブラジルの農具メーカー、シマグ(本拠地:サンパウロ州マタン市)は、会期5日間のうち3日間で350万レアルの売り上げを記録した

また、今回のアグリショーでは、2022年と同様にドローンの展示販売も多く、中国製ドローンの展示販売が目立った。これらの出展者は、農薬散布などドローンを活用したソリューションサービスの拡販を狙うブラジル企業が担っていた。例えば、林業機械を販売するティンバー(本拠地:パラナ州クリチバ市)は、見本市の開催期間中にドローン6機を合計150万レアル販売した。5月4日付公式インスタグラムによれば、農業用ドローン開発大手の極飛科技(XAG、本拠地:中国広州市)のドローンを販売している。

一方、農業用ドローンサービスを提供するブラジルのXMobots(本拠地:サンパウロ州サンカルロス市近郊)は、自社開発のドローンがあるにもかかわらず、中国ドローン大手DJIの農業用ドローンも複数展示していた(5月8日付XMobots公式インスタグラム)。

(注)「アグリショー」は例年、会場周辺の宿泊施設は予約が難しく、少し離れた都市の宿泊施設に宿泊することも一案。

(古木勇生)

(ブラジル、中国)

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