新型パスポートの申請受け付けが再開、内蔵チップの不足解消で

(ロシア)

欧州課

2023年05月31日

マイクロチップを内蔵した生体認証対応の海外旅行用の新型パスポート(10年有効)(注)の申請受け付けが、ロシアで6月1日に再開される。内務省が5月26日付のプレスリリースの中で明らかにした。ロシアでは、2023年2月2日に同タイプのパスポートの発行を停止していた。停止の理由について、内務省は「技術的なもの」としたが、複数のメディアが「マイクロチップの不足が原因」と報じていた。停止期間中は、チップ非搭載の旧型パスポート(5年有効)の申請が呼びかけられていた。

今回、政府が新型パスポートの受け付け再開にこぎつけたのは、国内最大手のエレクトロニクス企業ミクロンの生産体制が整備されたためとみられる(「ロシア新聞」5月28日)。同社は現在、モスクワ郊外のハイテク工業団地テクノポリス「モスクワ」で、ICカード用チップなど700種以上の製品を製造しており、小型電子回路の年間生産量は40億個を超える(ミクロン公式サイト)。同社のグリナラ・ハシヤノワ社長は2023年4月に、「新型パスポートの発行に必要となる輸入素材の代替品を見つけた」と発表していた(「コメルサント」紙4月11日)。

(注)ロシアには2種類のパスポートがあり、1つは海外旅行用(旅券)、もう1つは国内での旅行や身分証明に使われるものがある。海外旅行用には10年有効のものと、5年有効のものがある。

【欧州課】

(ロシア)

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