キルギスで自動車組み立て工場建設が開始

(キルギス、ウズベキスタン)

タシケント発

2023年05月15日

キルギス北部、首都ビシケクから西に50キロのところにあるチュイ州アクスーで5月11日、ウズベキスタンの自動車産業公社ウズアフトサノアトと、キルギスの民間企業ディーティー・テクニクとヌルによる自動車組み立て工場アルティン・トゥルパル・ウナア・クルルシュ(Altyn Tulpar Unaa Kurulush、「黄金の翼の馬」の意)の建設が開始された。

工場建設は、2023年1月27日のウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領のキルギス訪問と、キルギスのアキルベク・ジャパロフ首相による3月9日のウズベキスタン訪問を経て決定した。

現地メディアの報道によると、同工場ではシボレー、いすゞなどのブランドの乗用車、ピックアップ、ミニバスなど19車種の組み立てが予定されている(エコノミスト.kg 1月23日、ガゼータ・ルー3月16日)。キルギス経済省のカナト・アブドラフマノフ副大臣によると、民間企業が主体となる今回の事業投資額は5,000万ドルになる(経済通信社「プライム」1月27日)。

第1段階の生産台数はSKD(注1)組み立てで、年1万台を予定している。第2段階では年2万台の組み立てと部品の現地生産、第3段階ではSKD組み立てで年3万台生産ののち、6年目にCKD(注2)組み立てによる生産体制の構築を予定しており、2,000人の雇用創出を目指している(2023年3月6日付キルギス共和国閣議命令第94-r番)。キルギス政府は輸入部品の付加価値税と関税の免除、組み立てた自動車の政府調達での優遇、自動車ローンプログラムの資金割り当てなどの優遇措置を取ることを約束している。

2022年のキルギスの自動車輸入台数は過去最高の5万7,298台で、ロシア(2万3,676台)、韓国(1万883台)を含む13カ国から輸入している。なお、同国では2016年に右ハンドル車の輸入が規制されるまで、輸入台数の半数を日本からの中古車が占めていた。

(注1)セミノックダウンの略。完成部品をセットで輸出し、現地で組み立てを行う方式。

(注2)コンプリートノックダウンの略。未完成品の部品を輸出し、現地で組み立てや溶接、塗装、艤装(ぎそう)、仕上げなどを行い、自動車として完成車にする方式。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(キルギス、ウズベキスタン)

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