マカオでBEYOND Expo開催

(マカオ、香港、中国、日本)

香港発

2023年05月25日

マカオ科学技術総会(MTGA、注1)が主催するグローバル企業向けの展示会「BEYOND Expo」(注2)が51012日、マカオにある統合型リゾート「ザ・ベネチアン・マカオ」の会議展覧センターで開催された。2年ぶりの対面開催となった今回は、「再定義されたテクノロジー」をテーマに、「コンシューマーテクノロジー」(注3)、「サステナビリティー」「ヘルスケア」として3つの展示エリアが設置された。大規模ブースを設置したアリババ集団や、デロイト、中国製薬大手の上海復星医薬集団(フォースン・ファーマ)をはじめ、600社を超える企業が出展した。同展示会では前述の3分野のほか、人工知能(AI)、Web3など最先端の技術を題材に、各種セミナーやピッチイベントが開催された。

日本からは、富士フイルムが大規模ブースを設置して会社や技術などを紹介したほか、石灰石から紙、プラスチックの代替素材を開発するユニコーン企業のTBMや、オンラインで簡単に作れるWebAR作成ツール「palanAR」を運営するスタートアップ企業のpalanなどが出展し、商品説明を行った。パネルディスカッション「日本のイノベーションの将来と新たなトレンド」では、「日本のイノベーションの現状とグローバル連携」「中国(特に大湾区(注4))イノベーションの見方と期待」「日中イノベーション連携の期待」について意見交換が行われた。

展示会前に大湾区ツアーも開催

BEYOND Expo 2023」の開催前の69日には、大湾区イノベーションツアーが開催された。香港、深セン市、広州市、珠海市の現地スタートアップとテック企業への見学や、各地の政府機関との食事会などが行われた。ツアーの参加者からは、「現地視察で大湾区発の最先端技術が見られて良かった」「良い商談が幾つか行えたので、各社とやり取りを続けたい」「国籍も業界も違うツアー参加者といろいろ議論できて珍しい機会だった」といったポジティブな声が多く聞かれた。

写真 パネルディスカッションでの意見交換(BEYOND提供)

パネルディスカッションでの意見交換(BEYOND提供)

(注1)マカオの非営利団体で、目的はマカオのイノベーションと技術の発展を促進し、マカオと海外の科学技術分野の交流と協力を促進すること。

(注2)同展覧会は2021年に開始され、今回で3回目の開催となった。

(注3)一般消費者向けの、日常生活で使用されるコンピュータや携帯電話などのテクノロジー機器や技術を指す。

(注4)広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)を指す。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(マカオ、香港、中国、日本)

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