タイ、UAEとのCEPA交渉開始、対中東輸出のゲートウエーとして期待

(タイ、アラブ首長国連邦)

バンコク発

2023年05月15日

タイのジュリン・ラクサナウィシット副首相兼商務相は5月9日、アラブ首長国連邦(UAE)のサーニー・ビン・アフマド・アール・ゼイユーディ貿易担当国務相とオンラインで会談し、タイ・UAE包括的経済連携協定(CEPA)の正式な交渉開始を発表した。ジュリン副首相が2月7日にUAEを訪問してからわずか3カ月という短期間での発表となった。政府高官レベルの最初のCEPA交渉は5月16日から18日にかけて、ドバイで実施される予定で、6カ月以内の交渉妥結を目標としている。

ジュリン副首相によると、全て計画どおりに進行した場合、UAEとのCEPAは、同副首相が訪問してから9カ月で妥結する見通し。これはタイが締結した数ある自由貿易協定(FTA)の中でも、最短で交渉妥結する協定の1つとなるという。2022年のタイの対UAE輸出総額は1,190億バーツ(約4,760億円、1バーツ=約4円)で、タイ・UAEの2国間貿易総額は7,300億バーツとなっているが、CEPAが発効すれば1年以内に700億バーツ以上の貿易総額の増加が見込まれる。

また、実現した場合、タイにとっては中東地域で初の貿易協定にもある。2国間での貿易・投資を拡大する効果に加え、タイの製品・サービスを中東に輸出する際、UAEを湾岸協力会議(GCC)のUAE以外の加盟5カ国(サウジアラビア、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート)へのゲートウエーとして活用することも期待できる。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、アラブ首長国連邦)

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