オークランド・アスレチックス、米ラスベガスの新球場建設の契約締結を発表、移転可能性高まる
(米国)
サンフランシスコ発
2023年05月25日
カジノやリゾート、オンラインゲーム事業大手のバリーズ(本社:米国ロードアイランド州ウェストミンスター)は5月15日、米国カリフォルニア州オークランドに本拠地を置くメジャーリーグベースボール(MLB)所属のプロ野球チーム、オークランド・アスレチックスと、新しい球場をネバダ州ラスベガスのストリップ地区に建設する契約を締結したとの声明を発表した。バリーズは米国内10州で計15のカジノ施設などを運営しており、球場はその1つのトロピカーナ・リゾート・アンド・カジノの敷地内に建設する。
オークランドコロシアムの2022年の総動員数は78万7,902人と、MLBの30球団中で最低だった。また、2022年の1試合当たりの平均観客動員数をみても、MLB全体で対前年比増加率が42.4%だったのに対して、オークランド・アスレチックスは13.7%と、MLB全球団中下から4番目にとどまった。さらに、昨シーズンの平均観客数が1万人を下回ったのは同球団だけだった。プロスポーツチームによるオークランドからの本拠地移転は、アスレチックスのほかにも、バスケットボールチームのゴールデンステート・ウォリアーズが2019年にサンフランシスコへ、アメリカンフットボールチームのレイダースが2020年にラスベガスへそれぞれ移転している。
球団オーナーのデイブ・カバール氏は今回の発表について、「ネバダ州南部に正式に移転できるまで、まだステップは残されているが、今回の発表は大きな節目で、同地域に勢いをつけるものだと関係者全員が理解している」と述べた。また、新しい球場には、年間250万人超のファンや訪問者の来場が見込まれることから、移転を通じたチームの競争力強化にも期待が集まる。他方、オークランドのファンがチームの移転に抗議する動きもみられる(「ニューヨーク・タイムズ」電子版4月20日)。
(濱真奈)
(米国)
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