米カリフォルニア州で一般向け自動運転シャトルバスプロジェクト開始

(米国)

サンフランシスコ発

2023年05月08日

米国カリフォルニア州のコントラコスタ交通局は4月24日、自動運転シャトルバスプロジェクトの開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同プロジェクトでは、カリフォルニア州サンラモンにある4つの主要な目的地に、無料で電気自動車(EV)の自動運転シャトルバスサービスを提供する。提供は既に開始しており、平日の午前7時30分から午後5時30分まで実施している。誰でも利用可能だ。

プロジェクトは今秋まで実施される。プレスト(PRESTO)と名付けられたシャトルバスに運転手は乗っておらず、ハンドルやペダルも付いていない。乗客の安全や乗り心地を確かめるため、添乗員が1人乗車しており、乗客は8人まで乗車可能となっている。シャトルバスの最高時速は15マイル(約24キロ)で、20~25分間隔で運転される。

コントラコスタ交通局はプロジェクト実施に当たり、自動運転のモビリティーサービスを提供するスタートアップのビープ(Beep)と提携した。同社のモビリティーソリューションは、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に寄与するほか、交通の安全を改善し、全ての人にモビリティーのアクセスを拡大するとしている。同社はこれまでにアリゾナ州、フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、イエローストーン国立公園など全米各地で、自動運転シャトルの実証実験を行ってきた。

また、複数のメディア報道によると、カリフォルニア州に拠点を置くズークス(Zoox)が2023年2月に同州車両管理局から自動運転シャトルの走行許可を得た。同社は本社の2つのオフィスビル間の公道1マイルで自動運転シャトルを走らせ、従業員を送迎する。アマゾンが2020年6月に同社を買収している。

そのほか、ドイツの自動車機器メーカーのゼット・エフ(ZF)が2023年1月に、同社と提携して自動運転レベル4(注)のシャトルを米国市場に投入すると発表している。同シャトルはラスベガスで開催されたCES2023で公開されたが、今後、米国に数千台供給することを目標としている。米国でどこまで自動運転自動車が普及するのか、注目される。

(注)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル3では、限定された領域内でシステムが原則として全ての運転タスクを実施するが、作動継続が困難となる場合、運転者が適切な対応をする必要がある。レベル4では、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態での走行が可能(2021年2月16日記事参照)。

(石橋裕貴)

(米国)

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