第1四半期GDP成長率は2.7%、個人消費や観光業が好調

(タイ)

バンコク発

2023年05月19日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は5月15日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比2.7%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)だったと公表した(添付資料表参照)。好調な個人消費と観光業に牽引され、2022年第4四半期(10~12月)の1.4%から伸びが加速した。ロイターの事前予測調査(2.3%)を上回る結果となった。季節調整済み前期比についても1.9%となり、2022年第4四半期(10~12月)のマイナス1.1%からプラスに転じた。

2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(前年同期比)を需要項目別でみると、個人消費支出は5.4%増となり、前期(5.6%増)に引き続き高い伸び率を示した。宿泊施設や飲食サービスが好調だったことから、サービス支出は11.1%増と力強い伸びを示した。自動車購入が4.1%増加したことから、耐久財消費は2.4%増となり、前期(マイナス1.0%)からプラスに転じた。非耐久消費財、準耐久財もそれぞれ、2.3%増、1.6%増と増加した。

総固定資本形成は3.1%増(前期:3.9%増)と減速した。民間投資が2.6%増となり、前期(4.5%増)から減速したことが影響した。機械設備投資が2.8%増(5.1%増)、建設投資が1.1%増(1.9%増)となり、それぞれ前期から縮小したことが影響した。一方、公共投資は4.7%増と前期(1.5%増)から拡大した。とりわけ、政府投資が6.9%増と前期(2.2%)から拡大した。

輸出は3.0%増と、前期の0.7%減からプラスに転じた。サービス輸出が外国人旅行者の増加を主な要因として、87.8%増と引き続き好調なことが影響した。一方、コンピューター部品や関連機器をはじめとした製品の輸出減少が要因となり、財輸出は6.4%減だった。

2023年の実質GDP成長率見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)については、2.7~3.7%と2023年2月の見通しを維持した。

(藤田豊)

(タイ)

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