2023年の経済成長率の目標値は6~7%

(フィリピン)

マニラ発

2023年05月10日

フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は4月24日、2023年の経済成長率の目標値の範囲を6.0~7.0%と発表した。また、2024年から2028年にかけての経済成長率の目標値の範囲を6.5~8.0%とした。良好な労働市場環境や観光産業の回復などにともなう国内需要の高まりを受け、2022年のフィリピン経済は前年比7.6%の高成長を実現した。DBCCは、こうした経済の高成長が2028年まで継続するとみている。

一方で、DBCCは、国家間の地政学・通商上の緊張の高まりを受けて世界経済が減速するリスクや、フィリピン国内での気象災害の可能性を考慮して、成長率目標を設定したと説明している。

物価上昇率の予測値範囲を上方修正

DBCCはあわせて、2023年の物価上昇率(年率)の予測値の範囲をこれまでの2.5~4.5%から5.0~7.0%へ引き上げた。その理由として、DBCCは継続的な食品価格やエネルギー価格、交通費の高騰を挙げている。2024年から2028年までの物価上昇率の予測値の範囲は、2.0~4.0%と発表した。

その他の主要なマクロ経済指標の予測は次のとおり。

  • ドバイ原油価格:2023年および2024年は1バレル70~90ドル、2025年から2028年にかけては60~80ドル。
  • 対ドル為替レート:2023年から2028年にかけて1ドル53~57ペソ。
  • 財輸出の伸び率:2023年は3.0%、2024年から2028年にかけて6.0%。
  • 財輸入の伸び率:2023年は4.0%、2024年から2028年にかけて8.0%。
  • サービス輸出の伸び率:2023年は17.0%、2024年は16.0%、2025年から2028年にかけて6.0%。
  • サービス輸入の伸び率:2023年は11.0%、2024年は10.0%、2025年から2028年にかけて8.0%。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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