欧州委のガブリエル委員(イノベーションなど担当)辞任、ブルガリアで組閣へ

(EU、ブルガリア)

ブリュッセル発

2023年05月17日

欧州委員会は5月15日、マリヤ・ガブリエル委員(イノベーション・青少年担当)の辞任を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ガブリエル委員がこの日、ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長に辞表を提出し、受理された。ブルガリア大統領より組閣要請を受けたためとしている。

ブルガリアは、4月2日に国民議会選挙(2023年4月11日記事参照)を実施。「ブルガリアの欧州における発展のための市民(GERB)」が最多議席を獲得したものの、GERBを含む与党連合の獲得議席は、全議席の過半数に足しておらず、組閣には連立交渉が必要となった。報道によると、GERBより次期首相候補として指名を受けたガブリエル委員は、他党との連立交渉に挑むことになる。

ガブリエル委員は、2009年から2017年まで欧州議会議員〔中道右派の欧州人民党(EPP)グループ・GERB所属〕を務め、2017年からジャン=クロード・ユンケル前委員長の下でデジタル経済・社会担当委員、2019年からフォン・デア・ライエン委員長の下で現職に就くなど、主にEUで政治キャリアを積んできた。

ガブリエル委員の暫定的な後任は、イノベーション分野をマルグレーテ・ベスタエアー執行副委員長(欧州デジタル化対応総括、競争政策担当)、青少年分野をマルガリティス・スキナス副委員長(欧州生活様式推進担当)がそれぞれ担う。

(吉沼啓介)

(EU、ブルガリア)

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