インドネシア、デジタル金融イベントでマレーシアと越境QRコード決済システム立ち上げ

(インドネシア、マレーシア、ASEAN)

ジャカルタ発

2023年05月11日

インドネシアの経済調整府と中央銀行は5月7~10日、インドネシアデジタル経済・金融フェスティバル(FEKDI)2023を開催した(FEKDI公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2023年のテーマは「デジタル経済の相乗効果と革新:成長の促進」だ。このイベントには、アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相、サンディアガ・ウノ観光・創造経済相、ペリー・ワルジヨ中銀総裁らが出席した。

8日にビデオメッセージで登壇したジョコ・ウィドド大統領は、革新と信頼が成長と発展を続けるカギで、デジタルベースの決済システムなどの革新が引き続き開発されなければならないとし、「政府支出の効率性、透明性、説明責任のために、中央政府と地方政府による政府向けのクレジットカードを活用した商品調達の促進など、デジタル金融改革を強化する必要がある」と言及した(コンパス5月8日)。

マレーシアとのQRコード相互接続、小売り・観光など売り上げ増に期待

同イベントでは、インドネシア中銀とマレーシア国立銀行がQRコードを使用した支払いの両国間の相互接続の実装を開始したことが発表された。インドネシアのQRコードの規格QRISとマレーシアのQRコードの規格DuitNowQRコードが接続され、消費者は両国でQRコードを利用した小売り決済を行うことができ、特に両国の観光や小売り部門に利益をもたらすことが期待される(5月8日インドネシア銀行プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。QRコードを使用した支払いの相互接続に関しては、タイに続いて2カ国目となった。

ペリー中銀総裁は「この協力は、国境を越えた決済取引サービスのユーザーに、より多くの選択肢を効率的に提供し、地域のデジタル経済と金融の包摂を促進するものだ」とし、「特に現地通貨の枠組み内の2国間取引で、現地通貨の幅広い使用を奨励することでマクロ経済の安定を支えることが期待される」と述べた。今後について、フィリピンとシンガポールとの間でも相互接続の開発を進め、いずれはASEAN各国との相互接続を実現したいとの意向を示した(CNBCIndonesia 5月8日)。

(尾崎航)

(インドネシア、マレーシア、ASEAN)

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