山東省、知的財産権保護状況を発表、次世代情報技術やバイオなどに注力

(中国)

青島発

2023年05月08日

中国山東省の知的財産権戦略実施任務領導小組弁公室は、4月26日の「世界知的財産の日」に合わせ、翌27日に「2022年山東省知的財産権発展および保護状況」を発表した。

発表によると、2022年の山東省の特許登録件数は前年比34.0%増の4万8,696件、PCT国際出願件数(注1)は4.2%増の3,380件、特許の現存権利件数は25.6%増の18万9,383件、1万人当たりの特許の現存権利件数は前年より3.8件多い18.65件だった。また、高価値特許の現存権利件数は6万6,145件、1万人当たりの高価値特許の現存権利件数は6.5件に達し、前年比40.2%増となった。商標の現存権利件数は前年比16.9%増の240万4,000件、そのうち馳名商標は805件、地理的表示は877件だった。山東省内の著作権の登録件数は前年比10.2%増の25万件余りだった。同省内の農業植物新品種の登録件数は220件だった。林業植物新品種の登録件数は40件で、現存権利件数は403件に達した。

同日に行なわれた記者発表によると、山東省では毎年1億元(約20億円、1元=約20円)が高価値専利(注2)への奨励金・補助金として支給されている。同省では次世代情報技術、海洋設備、量子情報、バイオ医薬などの重点産業クラスターや、代表的な産業チェーンに注力し、核心技術の知的財産権の強化に力を入れており、2022年の山東省の専利の譲渡、ライセンス件数は延べ6万件だった。

このほか、2022年に山東省の公安機関が摘発した知的財産権と模倣・粗悪商品製造販売に関わる事件は2,806件だった。2,093カ所の拠点を摘発し、被害額は34億元余り。同省では引き続き模倣品対策などにも力を入れて取り組んでいる。

(注1)特許と実用新案を含む。

(注2)中国では特許、実用新案、意匠を含む。

(赤澤陽平)

(中国)

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