広東省が全面的にクリーン生産を推進、排ガス基準「国3」非対応の車両を淘汰

(中国)

広州発

2023年05月15日

中国の広東省発展改革委員会ほか10部門は5月8日、「広東省全面的にクリーン生産(清潔生産)を推進する実施プラン(2023-2025年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、プラン)を発表した。同プランは、クリーン生産促進法や、広東省の「第14次5カ年(2021~2025年)規画と2035年までの長期目標」を実行するために策定された。

同プランでは、2025年までに、広東省においてクリーン生産のシステムを基本的に確立するとしており、エネルギー利用率の大幅な向上や、全国トップレベルのクリーン生産を実現することを目指すとした。産業分野別の方針としては、工業分野の対策に注力し、クリーン生産を全面的に推進するとした。

工業分野については、高エネルギー消費型のプロジェクトや高汚染物質を排出するプロジェクトに対し、厳格な参入基準を設置するほか、化石エネルギー消費の合理的な制御や、再生可能エネルギーの普及・応用の拡大を目指す。

また、交通分野では、省エネ・低炭素排出型の自動車などの利用を推進するとしており、バス、タクシー、郵便、宅配などの交通手段における新エネルギー車の割合を高める。

このほか、水素燃料電池自動車の発展を促進するとしており、商用車などのガソリン車を電気自動車(EV)や水素燃料電池自動車へ切り替えることを着実に推進する。さらに、大型ディーゼル車に対し「国6」(注1)の排出ガス基準を、非道路移動ディーゼル機械(注2)に対し「国4」の基準を全面的に適用するとともに、「国3」基準を満たさないディーゼル車とガソリン車は基本的に淘汰(とうた)する。

なお、プランでは、2025年までに、広東省の単位GDP当たりのエネルギー消費量と一定規模以上の工業企業の生産増加額当たりのエネルギー消費量をいずれも2020年より14%削減し、都市部の新築建築物に占めるグリーン建築の割合を100%に引き上げるなどの目標を掲げた。

(注1)中国の自動車排出ガス基準は「国1」~「国6」まで6つの基準がある。中でも「国6」は「国6a」と「国6b」の2段階に分かれ、「国6b」は最も厳格な排出ガス基準となる。

(注2)国や地方政府がつくった道路以外の場所を走る車や工作機械。具体的には、掘削機、フォークリフト、農業機械、林業機械などを指す。

(梁梓園)

(中国)

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