シンガポール、IPEFサプライチェーン協定の実質妥結と水素イニシアチブ導入を歓迎

(シンガポール、米国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インド、フィジー、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)

シンガポール発

2023年05月29日

シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相は5月28日、米国のデトロイトで開催されたインド太平洋経済枠組み(IPEF)の閣僚会合後のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「シンガポールは、他のIPEFパートナーとともに、われわれのサプライチェーンの強靭(きょうじん)性と連結性を強化するための個別、集団の努力を強化する革新的な『サプライチェーン協定』を歓迎する」と述べた。また「この協定により、われわれは将来のサプライチェーン途絶を予測し、対応できるよう、強力な体制を整えることができる」とし、「シンガポールはこの協定の早期運用開始と、他のIPEFの柱に関する交渉がさらに進展することを期待している」とした。

今回の会合では、(1)貿易、(2)サプライチェーン、(3)クリーンな経済、(4)公正な経済の4分野のうち、サプライチェーンで先行して合意。「IPEFサプライチェーン協定」が実質妥結に至った。その他の柱についても進捗を確認し、早期の合意に向け交渉を加速させることに合意した(2023年5月29日記事参照)。

今回の会合では、日本とシンガポールがリードして、「水素イニシアチブ」の立ち上げについても合意した。ガン貿易産業相は「この分野の成長が期待される水素を活用し、それぞれのグリーン経済を支援するために、IPEFの関係パートナー間で水素イニシアチブが導入されることを歓迎する」とした。

こうした取り組みを支援するため、ガン貿易産業相は「貿易・事業開発、サプライチェーン管理、クリーンエネルギー・排出削減、腐敗防止など、IPEFの4つの柱に関連するテーマで、シンガポールが能力形成(キャパシティービルディング)プログラムを提供する」と発表した。プレスリリース(既出)によると、プログラムは、外務省(MFA)や情報通信メディア開発庁(IMDA)、海事港湾庁(MPA)、内国歳入庁(IRAS)、税務アカデミー(Tax Academy)、汚職行為調査局(CPIB)などのシンガポール政府機関や、日本など他のIPEFパートナーによって開催される。

(朝倉啓介)

(シンガポール、米国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インド、フィジー、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)

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