広東省の主要都市、2022年末の常住人口が軒並み減少

(中国)

広州発

2023年05月23日

中国の広州市統計局は512日、「2022年広州市国民経済と社会発展統計公報」を発表した。公報によると、2022年末時点の広州市の常住人口は1,8734,100人で、前年末から76,500人減少した。同市統計局によると、2022年末に新型コロナウイルス感染が拡大したことや、市外からの多くの出稼ぎ労働者が翌年の春節(旧正月)期間の混乱を恐れて、例年より早く市から離れて帰郷したことなどにより、広州市の常住人口規模が段階的に縮小したという。

また、広東省統計局が発表した「2022年広東省国民経済と社会発展統計公報」によると、2022年末の広東省の常住人口は12,6568,000人と、前年末から27万人減となった。うち広東省の珠江デルタ9都市(注1)では前年末から合計で31万人減少、それ以外の12都市では4万人増加した(添付資料表参照)。

珠江デルタ9都市を個別にみると、珠海市を除く8都市の全てで常住人口は減少した。うち、2022年末の深セン市の常住人口は1,7661,800人と、前年末より19,800人減少した。同市は1979年に誕生して以来、初めて前年末比で減となった。仏山市は6300人減、東莞市は99,800人減で珠江デルタ9都市の中で減少数が最も大きかった。

一線都市(注2)の北京市と上海市の2022年末の常住人口もそれぞれ前年末から43,000人減、135,400人減となっており、全ての一線都市で人口減少がみられる。

大都市の人口減少の要因について、中国民主同盟中央経済委員会の馮奎副主任は、都市化の進展の遅れによる都市部移住人口の減少や、農村活性化の推進による農村への人材回帰、都市クラスターの建設などによる中小都市への人材流出などを要因として挙げている(「21世紀経済報」516日)。

(注1)広州市、深セン市、仏山市、東莞市、中山市、恵州市、江門市、珠海市、肇慶市の9都市。製造業が発展しており、大量の外来人口を受け入れてきた。

(注2)中国の中核都市。一般的に北京市、上海市、広州市、深セン市が該当する。

(梁梓園)

(中国)

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