米サウスカロライナ州、SPIエナジー傘下企業の太陽電池シリコンウエハー・パネル生産施設設立を発表

(米国)

アトランタ発

2023年05月08日

米国サウスカロライナ州は4月26日、再生可能エネルギー関連の米国企業で、SPIエナジー傘下のSEMウエハーテックとソーラー・フォー・アメリカ(Solar4America)が6,590万ドルを投じ、同州サムター郡で太陽電池ウエハーからパネルまでの生産施設を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、300人の新規雇用を創出する。

SEMウエハーテックは2023年末までに太陽電池ウエハーの生産・納入を開始し、2024年までに生産能力を3ギガワット(GW)まで増強することを目標としている。また、ソーラー・フォー・アメリカは「Made in the USA」の太陽電池モジュールを製造する。新設される工場は、ソーラー・フォー・アメリカがより多種の太陽電池パネルを製造することを可能にし、2021年1月に破産したサナジーから引き継いだカリフォルニア州サクラメント所在の工場と合わせて、2023年内に2.4GWの生産能力の獲得を目指す。

IRA成立後、太陽電池関連製品の製造拠点建設計画が加速

現在、全世界に流通するシリコンウエハーの97%は中国で生産されているといわれる。また、東南アジアが米国にとって太陽電池セルとモジュールの最大の供給地域となっている。しかし、インフレ削減法(IRA)の成立によって潮目が変わりつつあり、成立から1年も経たないうちに、キュービックPVによる10GWのウエハー工場建設計画(ビジネスワイヤー2022年12月15日)や、ハンファQセルズによる太陽電池モジュール製造施設の拡大などが相次いで発表されている(2023年1月12日記事参照)。なお、インフレ削減法に基づき、太陽電池ウエハーメーカーには、太陽電池ウエハーの生産量平方メートルごとに12ドルが支給される。

(吉田祥子)

(米国)

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