山東省、製造業イノベーションに関する3年行動計画を発表

(中国)

青島発

2023年05月16日

中国の山東省工業・情報化庁など5部門は5月5日に「山東省製造業イノベーション能力向上の3年行動計画(2023~2025年)」を発表した。

山東省における製造業の発展のため、2025年までに、イノベーション環境のさらなる最適化、製造業イノベーションシステムの完備、核心技術への対応力、科学技術イノベーション人材チーム、企業のセルフイノベーション力、優良企業の育成規模、産業チェーンの共創力、未来産業(注1)の発展レベル、「山東製造」ブランドの影響力、品質管理と標準化システムの構築レベルなどにおいて、新たなブレイクスルーを実現することを目的としている。

優良企業の育成規模については、毎年新たにガゼル企業(注2)400社、ユニコーン企業3社程度を育成するとしている。また、2025年までに「専精特新」の中小企業(注3)1万社、「小巨人」企業(注4)1,000社程度、省級以上の製造業ニッチトップ企業(注5)1,000社程度などの育成に力をいれるとしている。

本計画は、一般要求事項、重点任務、保障措置の3つで構成されている。重点任務については、9分野で合計28項目が挙げられている(添付資料表参照)。

また、製造業発展に向けた取り組みを保障する措置として、業務メカニズムの完備、良好な環境の構築、専門知識の結集、宣伝・普及の強化の4つが挙げられている。

(注1)変革をもたらす技術およびその新製品、新業態が形成する産業を指す。高成長や先駆性などの特徴を持つ。例として、ロボット、メタバース、量子科学技術、次世代ネットワーク、遺伝子技術、宇宙開発などが挙げられる。

(注2)シンクタンク「胡潤研究院」の定義によると、2000年以降に創業し、今後3年以内にユニコーン企業になる高い可能性を有する非上場企業を指す。

(注3)専門性を有し、精密な技術力を持ち、差別化され、革新的な中小企業を指す。

(注4)中国工業情報化部が選出する国家レベルの「専精特新」企業を指す。

(注5)ニッチ市場における特性産品の生産技術や市場シェアがトップレベルにある企業。中国語では「単項冠軍企業」。

(赤澤陽平)

(中国)

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