カルナータカ州でビジネス環境改善会議が10カ月ぶりに開催

(インド、日本)

ベンガルール発

2023年05月02日

インド・カルナータカ州政府は4月28日、23回目となるプロジェクト・ファシリテーション委員会会議(Project Facilitation Committee Meeting、PFC会議)を開催した。PFC会議は、主に製造業で進出するカルナータカ州内の日本企業のビジネス環境改善に向け、個別協議を行うもの。2022年6月以来、長期にわたり開催が見送られてきたが、ジェトロがこのたび要請し、州政府がこれを受けるかたちで会議が開催された。

今回のPFC会議には日本企業3社が参加し、工業団地内の環境や、工場の土地購入、物品・サービス税(GST)の未収金回収などの問題について協議した。PFC会議は各企業が抱える個別具体的な問題や課題について州政府と協議するため、セッションごとに企業が入れ替わるかたちで実施される。

インド側は関連部局の担当者が出席し、商工業分野を管轄するコミッショナーが会議を直接取り仕切る。政府内の稟議(りんぎ)に時間を要している場合は、コミッショナーが担当者にきちんとフォローするよう、げきを飛ばし、担当者の所管を超える問題などについては、コミッショナー自ら当該部局に善処するよう求めたりする。ただし、その場ですぐに解決される問題は少ないため、PFC会議後に各案件についてフォローアップすることが重要となる。PFC会議で解決が見込めない問題については、首席次官(Chief Secretary)をトップとするDMC会議(Dialogue & Monitoring Committee Meeting)に持ち越され、もう1段階上のレベルで協議が行われることになる。

カルナータカ州に進出する日本企業は、それぞれが抱える問題などに対し、こうした会議の場も活用し、解決に向けて州政府側と粘り強く協議を続けていくことが重要となろう。

(水谷俊博)

(インド、日本)

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