米ミシガン州、官民連携で半導体と自動車の研究センター設立へ

(米国、ベルギー)

シカゴ発

2023年05月22日

米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は5月16日、半導体関連の精密機器の製造・開発を行うKLA(本社:カリフォルニア州)と、ベルギーの半導体研究機関imec、ミシガン大学、ウォッシュトノー・コミュニティー・カレッジ、ゼネラルモーターズ(GM)が同州政府と協力し、半導体産業の人材育成と自動車研究の推進を支援するセンター・オブ・エクセレンス(注1)を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。なお、今回交わした覚書には、立地や規模についての言及はない。このセンターは、モビリティーの電動化と自動運転に対する先端半導体のアプリケーションを加速させ、人材育成とインフラ開発を目的としたSTAR(The Semiconductor Talent and Automotive Research)イニシアチブの一環として設立し、次の研究・支援に重点を置く。

  • 自動車の電動化と自動運転ソリューションに関する基礎・先端研究の加速
  • 自動車の電動化と自律運転技術のイノベーションの開発と導入
  • 中西部を拠点とする熟練した人材育成を目的とした、K-12(注2)までの学校、職業訓練校、コミュニティーカレッジ、4年制大学、研究大学などの教育機関との連携
  • 既存の労働力を最新の半導体チップ製造や組み立て作業に対応させるため、訓練、再訓練のプログラム提供
  • 物理的な協業スペース、研究室、教育スペース、スタートアップ企業のためのインキュベーター資金の提供

同センターの設立メンバーの1つ、ミシガン大学のサンタ・J・オノ学長は「STARイニシアチブは、半導体業界と自動車業界との必要不可欠なつながりを構築・強化・維持するものだ。電動自動車(EV)への移行が加速する中、自動車が必要とするこれらの高度なマイクロエレクトロニクスを確実に開発・製造する必要がある」と述べた。

また、ミシガン州政府は、今回の半導体センター・オブ・エクセレンス設立が同州の半導体産業の継続的な発展を示す最新の事例だとしている。同州では半導体関連の投資が続いており、3月にはカリフォルニアに本社を置くインディーセミコンダクターが州南西部オーバーン・ヒルズにある既存設備を拡張するため、1,250万ドルを投資し、新たに最大180人を高賃金で雇用すると発表している。

(注1)組織横断的な取り組みを実施する際に中核となる研究拠点。

(注2)幼稚園の年長から後期中等教育の修了する12学年までの13年間。

(星野香織)

(米国、ベルギー)

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