新型コロナ感染者増加や変異株確認で、保健省が注意喚起
(ベトナム)
ホーチミン発
2023年05月01日
ベトナム保健省によると、国内の1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数は4月27日に2,958人で、6カ月ぶりの高水準となった。4月初旬の新規感染者数は2桁台で推移していたが、中旬から増加、17日以降は1,000人超えが続いている。
27日のハノイ市の新規感染者は921人、ホーチミン市は298人で、両市で国内全体の4割以上を占める。ベトナムは4月29日から5月3日まで連休期間となり、帰郷や旅行による人の往来の増加が見込まれる。保健省は2022年9月にマスク着用義務に関する規則を緩和し、基本的な感染対策としてマスク着用と消毒を推奨する「2K+(プラス)」を掲げているが(2022年9月16日記事参照)、直近の感染者増加を踏まえ、公共の場でのマスク着用や定期的な消毒、ワクチン接種などをあらためて推奨している。
オミクロン株XBBを確認
ホーチミン市保健局は4月23日、従来の変異株より感染力が高いオミクロン株XBB系統が確認されたと公表した。4月8日から14日にかけて、ホーチミン市疫病管理センターとホーチミン市パスツール研究所で採取した13人の感染者の検体のうち、11人がXBB系統による陽性と判定されたという。同市は4月29日からの連休期間中も、市民へのワクチン接種を実施する計画だ。
また、ハノイ市保健局も、遺伝子配列データの解析からXBB系統が確認されたと公表した(保健省電子ポータルサイト4月26日)。なお、感染者の症状はほとんどが軽度または無症状だという。
保健省によると、ベトナムの集団免疫は低下し始めたものの、依然として高い水準にあり、新規感染者のほとんどはハイリスクグループ(注)に属するか、ワクチン接種が不十分な人だという。一方、新規感染者の急速な増加に伴い、入院患者が再び増加することは避けられないとしている。
(注)保健省は現在、50歳以上の人や、18歳以上の中~重度の免疫不全者、罹患(りかん)リスクの高い医療従事者、警察、軍隊、教師などをハイリスクグループとしている。
(児玉良平)
(ベトナム)
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